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2007年01月10日(水) 00時00分

携帯110番でも現場特定 4月から自動化 東京新聞

 昨年一−十一月に全国の警察が受理した一一〇番通報のうち、携帯電話(PHSを含む)による通報が六割を超えたことが九日、警察庁のまとめで分かった。通報者が現在地の説明に手間取るケースが多いため、警視庁など六都道府県警は、一部機種で通報者の場所を自動的に特定する「位置情報通知システム」を四月に導入する。

 警察庁のまとめでは、通報は十一月末現在で約八百三十五万件(前年同期比2・2%減)。うち携帯電話による通報は60・6%に達した。一九九七年は全体の28・7%だった。

 一方、通報を受理後、警察官が現場に到着するまでの時間は昨年一−十一月、平均七分十秒。九七年は五分四十五秒で到着していた。

 同庁は、携帯電話による通報で、通報者が自分の居場所を手際よく伝えられず、現場の特定に時間がかかっていることも一因と分析。通報を受けた際、通報場所を通信指令室に自動表示するシステムを全国で順次、整備する。新年度は警視庁のほか神奈川、愛知県警などで運用が始まる。

 対象は、NTTドコモの「FOMA」など第三世代の機種。想定では、衛星利用測位システム(GPS)付き製品の一部なら半径数メートル−数十メートルの範囲に絞り込む。GPS付きでない場合、市街地なら電話の基地局の情報から半径数十メートル−数百メートルの範囲を示すという。

 警察庁は「導入後も、電波の受信状態で精度が落ちる場合もあり、通報時には、口頭でも目標物などを伝えるようお願いしたい」としている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070110/mng_____sya_____007.shtml