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2007年01月10日(水) 23時34分

裁判用と偽りビザ取得 NPO隠れみの、比女性入国読売新聞

パブで雇用容疑 行田の男逮捕

 「日本で裁判を起こす」と偽って短期滞在ビザを取得し、入国したフィリピン人の女を働かせていたとして、県警外事課と大宮署は9日、行田市小見、風俗店経営松岡由昌容疑者(43)を入管難民法違反(不法就労助長)の疑いで逮捕した。

 調べによると、松岡容疑者は2005年7月〜06年4月、行田市富士見町、飲食店従業員タザワ・トゥアリア被告(29)(電磁的公正証書原本不実記録・同供用罪で起訴)に就労の資格がないことを知りながら、同市内で経営するフィリピンパブで働かせた疑い。

 松岡容疑者は、「集団訴訟の支援」を名目にフィリピン人の入国をサポートしていたNPO法人(事務所・福井県敦賀市)の会員。同NPOは1999年に設立され、約660人の会員がいるが、ほとんどがフィリピンパブの経営者だという。同NPOを通じて入国したフィリピン人は「婚約不履行の慰謝料を求めるため裁判を起こす」などと申請し、短期滞在ビザを得ていた。

 同課は、02年以降だけでも数百人のフィリピン人が同NPOを通じて入国し、大半がフィリピンパブでホステスなどとして働いていたことを確認している。同課は、会員らがNPOを「隠れみの」に、フィリピン人女性を自分たちの店で働かせる目的で入国させていたとみて、捜査を進める方針。

 松岡容疑者は容疑を認め、「1人を入国させるのに、手数料としてNPOに60万円を支払った」と供述しているという。タザワ被告は05年7月に来日。日本人男性(50)と偽装結婚したとして、06年12月、大宮署に逮捕されていた。

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 同課などは9日、タザワ被告が在留資格変更許可を申請する際、タザワ被告の偽装結婚の相手を装って東京入国管理局に手続きについての手紙を出したとして、タザワ被告の知人の熊谷市平戸、元私立高校教諭高橋勇容疑者(53)を有印私文書偽造・同行使容疑で逮捕した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news001.htm