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2007年01月10日(水) 15時36分

携帯から110番、通報場所キャッチ 警察庁朝日新聞

 どこからかけているかが分からない携帯電話での110番通報が増えるなか、警察庁は4月から、携帯電話の位置情報で通報場所を把握する「位置情報通知システム」の運用を始める。携帯電話やPHSが通報に使われる割合は年々増え、昨年は初めて全体の60%を超える見通し。通報者が場所の説明に手間取る場合もあり、警察官の現場到着が遅れる一因になっていた。10日は110番の日。

 4月からの運用は警視庁と北海道(北見方面のみ)、大阪、神奈川、愛知、奈良の各道府県警。そのほかも順次、数年かけて整備される予定。

 位置情報の把握は高速データ通信が可能な「第3世代」の機種が対象で、現在使われている約3分の2が該当。電波を中継する基地局の位置や全地球測位システム(GPS)のデータを利用する仕組みで、住所の「丁目」辺りまで特定が可能。条件次第では半径数メートルの範囲まで判明する。

 同庁によると、昨年1〜11月に全国で受けた110番通報は834万6315件(前年同期比2.2%減)。60.6%が携帯電話やPHSなど「移動電話」からの通報だった。警察官が現場に到着するまでの所要時間は平均7分10秒。パトカーを効率的に指揮するシステムを導入して05年までの2年間で7分3秒まで短縮してきたが、再び遅くなった。

http://www.asahi.com/national/update/0109/TKY200701090412.html