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2007年01月10日(水) 21時51分

いじめの定義をより広範に 文科省、「見逃し」を懸念朝日新聞

 文部科学省は10日、いじめの現行の定義を見直し、一部の文言を削除する方針を固めた。教育委員会や学校が、定義を厳格に解釈するあまり、いじめと認定しない事例が相当数になると判断した。いじめの兆候を早期につかむため、全国調査の質問も手直しする。

 文科省は、(1)自分より弱い者に対して一方的に(2)身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているものを「いじめ」と定義してきた。このうち、「一方的に」「継続的に」「深刻な」という文言は「教委や学校が判断に迷い、結果的に、いじめを見逃しかねない」と判断し、削る見通しだ。

 今後の全国調査では、公立だけでなく、国立、私立の学校も含める。いじめられた子がだれに相談したかや、学校がどう対応したかといった項目も質問に加える。

 99年度から7年間、「いじめが原因」の件数がゼロとなり、批判が集中した自殺した児童生徒の調査も見直す。これまでは、「自殺の理由」を一つ選択させていたが、「いじめ」を含む複合的な原因までとらえきれないため、「自殺した子が、どういう状況におかれていたか」が分かるよう質問を改める。

 今後、細部を詰めて、年度内に調査用紙を都道府県教委に発送する方針だ。

http://www.asahi.com/national/update/0110/TKY200701100385.html