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2007年01月09日(火) 00時00分

シャープ、世界最大の液晶テレビ展示読売新聞


「WORLD'S LARGEST LCD TV」と表示された、シャープの108インチ液晶テレビ

世界最大の薄型テレビの前は報道陣などで、黒山の人だかり

 薄型大画面テレビの最大サイズを更新−−。シャープは国際家電見本市CESで8日、世界最大となる108インチの液晶パネルを実装したテレビを公開した。同社の液晶テレビでは、これまで65インチが最大。ライバルのソニー、サムソンは、82インチの液晶テレビを開発している。今回のCESでは、韓国LG電子が100インチの液晶パネル展示しているが、シャープ製品はいずれも上回る。プラズマディスプレーでは、松下電器産業の103インチ製品が最大なだけに、シャープ製の液晶パネルが、サイズ競争でプラズマも制した格好となった。

 今年の夏に商品化を目指しているものの、業務用か家庭用かは未定だ。重量と消費電力の具体的な数値についてもシャープは公表していない。価格を含め普通のユーザーには手に余る巨大なサイズ・重量であることは間違いない。同社AVシステム事業本部の加藤直樹事業部長は、「大画面化が難しいとされている液晶でも、108インチの大きさまで製品化できることを示せた」と展示の意義を語る。「あとはどのサイズ製品に実際の需要があるかを見極めるだけ」(加藤事業部長)。

 同社は今回展示した108インチの製品を含め、32、37、42、46、52、65インチの各サイズの製品で、画質のよいフルハイビジョン(フルHD)化を進めることにしており、プラズマ陣営に対し、画面サイズ・高画質の両面で対抗していく。

 CES開幕当日、シャープブースの入り口に置かれ、「WORLD'S LARGEST LCD TV 」と表示された108インチのテレビの存在感は大きく、報道陣や入場者でブース前は混雑、画質に優れたフルHD画面に見入っていた。

日立、着脱可能なHDDを開発

 日立製作所は、薄型テレビに着脱が可能なハードディスク(以下、HDD)を8日開幕した国際家電見本市CESで公開した。HDDに映像データを保存・持ち出し、ほかのデジタル機器でも鑑賞できる。日本で07年中に、このHDDに対応した薄型テレビの発売を予定している。

 HDDは「iVDR」という規格に準拠しており、データを記録するディスクの直径は2・5インチ。同社がのHDDを内蔵するプラズマテレビに着脱用のスロットを付け、i-VDR規格のHDDを装着できる。HDD内に取りためた映像は、携帯情報端末、カーナビなどに取り付け、鑑賞できるようにする。HDDを開発したのは、同社の関連会社HGST(日立グローバルストレージテクノロジーズ)。

ハイブリッドカムを北米でも発売

HDDとDVDを内蔵するハイブリッドカム。アメリカの大型小売店からも引き合いが相次いでいるという。左が8GB、右が30GBの製品。録画可能時間はそれぞれ3〜6時間と11〜22時間

 i-VDRもそうだが、HDD事業を軸に付加価値の高い製品展開を目指すのが日立の戦略。その延長戦上にあるのが、今回のCESで展示されたハイブリッドカムだ。DVDとHDDを同時に内蔵したビデオカメラで、日本では既に、「Wooo(ウー)DZ-HS303」として8月に発売され、家庭用ビデオカメラ市場で販売台数トップを維持する。CESではこのハイブリッドカムが2機種展示された。いずれも北米市場用向けの製品で、1月中に店頭出荷される。ただし、日本向けのハイブリッドカムの画像解像度が300万画素なのに対し、北米向け製品は68万画素にとどまる。アメリカの消費者が高画質よりも低価格を重視するためで、店頭価格は、HDDが8GBの製品が約600ドル(約7万円)、30GBの製品が約800ドル(約9万5000円)。

1テラバイトのHDDがお目見え

 日本でも昨年750GBもの大容量HDDが発売されるなど、HDDの巨大容量化が進行している。HGSTがCESで展示したのが、何と1TB(テラバイト、約1000GB)もの製品。もちろん世界最大の容量である。北米、日本とも3月に発売され、価格は399ドル(5万円弱)。商品構成は、DVDレコーダーやハイビジョンテレビ用の「Cinemastar」とパソコン用の「Deskstar」の2機種。(YOMIURI PC 林宗治)

http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/20070109nt03.htm