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2007年01月09日(火) 00時00分

CES、ラスベガスで開幕読売新聞

 世界最大級の国際家電見本市、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES、1月8日〜11日)が、アメリカ・ラスベガスで始まった。過去最多の約2700社のメーカーが世界中から集まり、最新の製品を展示する。今年は40回目となる節目の展示会で、次世代DVD、薄型テレビに加え次期OSのウィンドウズ・ビスタも披露されるなど、今後の家電・IT業界の動向を占うには目が離せない。

 「ヨミウリ・オンライン」では、会期中の新製品の発表や話題を取り上げる。(YOMIURI PC 林宗治)

松下電器、「IP Phone」を発売へ

「IP Phone」を発表するパナソニック・ノース・アメリカの山田喜彦会長

プレゼンテーション画面での「IP Phone」(画面右)

 松下電器産業は国際家電見本市CESの開幕前日となる7日の記者会見で、インターネットを利用したコードレス電話「IP Phone」を年内に発売するとともに、アメリカの薄型大画面テレビ市場で30%以上のシェア獲得を目指すことを発表した。

 パナソニック ノースアメリカの山田喜彦会長によると、「IP Phone」は、先行する無償のIP電話ソフト「Skype(スカイプ)」と同様にファイル交換(ピアツーピア)ソフトの技術を活用したもので、通話料は無料。販売窓口をネット通販大手のアマゾン1社に絞り、3月にも売り出す。

 同社は、薄型テレビをプラズマに特化して開発・販売しており、液晶に比べ、色彩の再現性、動画の解像度、視野角の広さ、階調表現、耐久性などで優れていると強調した。また、現行の標準的なハイビジョン規格よりも、より高精細なフルハイビジョン(フルHD)規格のプラズマテレビをアメリカ市場に投入していく。

 通常のハイビジョン規格では、垂直方向の画素数が650以上だが、フルHDでは、垂直方向が1080画素、水平方向が1920画素あり、ハイビジョン規格の約2倍の画素数を持つ。アメリカでは、2年後の09年にテレビ放送が完全デジタル化されることになっており、テレビの買い換え需要を見込む。

 「映画やスポーツで最適の画質を楽しめる」(山田会長)とし、50〜103インチの製品でフルHD規格の製品を展開していく。一方、ハイビジョンテレビも37〜58インチで、新製品を販売する。

東芝が記録容量51GBのHD DVDディスクを開発

東芝デジタルメディアネットワーク社の藤井美英社長(後列右から4人目)を中心に勢ぞろいしたユニバーサルやワーナーなどHD DVD陣営の幹部たち

 次世代DVD規格「HD DVD」を推進する東芝は、記録層を3層にしデータ容量を51GB(ギガバイト)に増やした読み取り専用のHD DVD-ROMを開発したことを、国際家電見本市、CES開幕前日の7日に発表した。

 従来の最大容量30GB(2層)よりも、大幅に記録容量を増やしており、対立する規格の「ブルーレイ・ディスク」(BD)陣営の最大記録容量50GB(2層)を上回る。これにより、ディスク1枚に7時間のハイビジョン映像を記録できる。

 これまで、ソニーや松下電器産業などのBD陣営はHD DVD陣営に対し、大容量の優位性を強調してきた。しかし、今回HD DVD陣営の盟主・東芝がディスクの製造コストの安さと記録容量の大きさともに、優位に立つわけで、次世代DVDを巡る規格争いは混沌としてきた。

 また、同時にHD DVD規格を推す映画・音楽会社やソフト・ハードメーカーなど9社で構成する「北米HD DVDプロモーショナルグループ」は、07年に発売するHD DVDプレーヤーの新製品と映像ソフトを発表した。「バットマンリターンズ」など全世界で300タイトル以上の映画ソフトが発売される予定だ。

http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/20070109nt01.htm