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2007年01月09日(火) 22時32分

夏には元気な姿を…長門市で「ひろくんを救う会」の発会式読売新聞

募金への感謝や、我が子を助けたい気持ちを打ち明ける父親の秀範さん
 心臓移植でしか治療法がない重い心臓病を患っている長門市の県立水産高校教諭、阿波秀範さん(40)の三男、宏典ちゃん(3)を支援する「ひろくんを救う会」の正式な発会式が8日、同市のルネッサながとで開かれた。秀範さんをはじめ、陽(みなみ)信孝同会代表ら会関係者、野村興児・萩市長、松林正俊・長門市長ら約100人が出席した。

 現在、下関市の済生会下関総合病院に入院中の宏典ちゃんには、先月23日に手術を受ける米コロンビア大から受け入れの連絡が届き、今月中の渡米が計画されている。費用は移植などの治療費に6000万円、渡航、滞在費各2000万円の計1億円が見積もられ、会ではこの1億円を目標額に既に募金活動を進めている。

 この日の報告では、長門、萩、下関、防府、北九州、大阪、神奈川県相模原市など県内外に出来た支部での募金活動と募金箱の設置、全国からの送金で、7日現在、目標額の約半分の約4700万円が集まったことが明らかにされた。

 式で、陽代表は「渡米のめどが立ち、人のやさしさを実感しています。これからも共に頑張り、ひろくんが元気で日本に帰って来た時にみんなで万歳をし、喜びの涙を流したい」と決意を述べた。また秀範さんは素早い募金の輪が広がってきたことに「今ではたくさんの熱い思いを持った方々の支えがあり、何も怖くない。家族だけの宏典が今では募金をして下さった方々の宏典と変わりました」と時折、涙を浮かべながら、感謝の気持ちを表した。

 秀範さんは、宏典ちゃんの病状を「一人では起きあがれず、顔は小さくなり、腕はやせ細って、手の皮はしわしわ」と説明。発病して1年半がたち、「死への恐怖の中で生きてきました。渡米の前に万全の態勢を整えようと、おなかの周りにたまった水を抜くために突き刺される針の痛みに歯を食いしばって泣かずに耐えました」と子供の懸命な姿を明かし、「必ず、夏には元気な姿をお見せしたい」と述べた。

 募金の振込先は、郵便振替(01340・2・96204)、山口銀行長門支店(普通6189566)、西京銀行長門支店(同2015460)、三井住友銀行下関支店(同0692475)。いずれも口座名は「ひろくんを救う会」。固定電話からの300円自動振り込み(0990・53・1234)も出来る。問い合わせは同会(0837・37・5925)へ。ホームページ(http://www.hirokunganbare.com)も開設している。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamaguchi/news001.htm