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2007年01月09日(火) 00時00分

防衛「省」何が変わる…外務省とあつれき生じる?ZAKZAK

 戦前は海軍省と陸軍省という2つの省だったが、敗戦で廃止。昭和29年、総理府(現・内閣府)の外局として防衛庁が設置された。冷戦時は旧ソ連、近年は中国、北朝鮮といった周辺国の軍事的緊張に対応するため「専守防衛」に基づく運営が行われた。ただ、予算要求や法案提出などは内閣府を通して行われ、防衛庁は隊の管理・運営が主体だった。

 平成3年、機雷除去のためペルシャ湾へ海自掃海艇が派遣されたのを皮切りに、4年にはカンボジアでのPKO活動、16年には人道復興支援のためのイラク派遣など活動範囲は世界に広まっている。こうした海外での活動はこれまで「付随的任務」とされていたが、省昇格で「本来任務」となり、積極的な派遣に弾みがつきそうだ。

 また、独自に法案を閣議にかけることができるようになり、本格的な政策立案や予算要求を行えるようになる。だが、防衛大臣といえども独断で部隊を動かすことは不可能。文民統制(シビリアンコントロール)の観点から最高指揮官は安倍首相となる。

 一方、同省は安全保障政策での主導権確保を目指しており、外務省や内閣府とのあつれきが生じることも予想される。

ZAKZAK 2007/01/09

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007010928.html