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2007年01月08日(月) 03時05分

<議員報酬>183市区が月額制 1日任期満了でも1カ月分毎日新聞

 市議、区議が退職する月の報酬を「月額払い」制で支払う市区が、全国803市区議会(1月1日現在)の約23%に当たる183あることが毎日新聞の調べで分かった。「日割り払い」制と異なり1カ月分を満額払うため、任期満了が月末でない83市区では、改選の月は新旧議員に重複して報酬が支払われている。12道府県も月額払い制をとっており、厳しい地方財政で歳出削減が進む中、議員の既得権が根強く残る実態が浮き彫りになった。【後藤豪、喜浦遊、野宮珠里】
 全国市議会議長会の04年12月の調査で、退職時の報酬が月額払いだったのは229。合併に伴って日割りとなったうえ市名が消えた5議会を除く224議会に昨年11〜12月、聞き取り調査した。
 その結果、月額制から日割りに条例改正した議会は33、条例改正に着手した議会は8で双方合わせた改定率は約18%。224議会のうち合併を経験した84議会に限ると、改定は27、改定中は4。改定率は約37%と全体平均のほぼ倍だった。合併相手に合わせて日割りにしたことがうかがえる。
 月額制の場合、岐阜市のように月初め(07年5月1日)が任期満了だと、退職や選挙で落選した議員は職務実体がほとんどないのに報酬1カ月分(68万円)を丸々受け取ることになる。
 また、任期満了が月の下旬や月末の場合でも、自己都合で月初めに退職すれば丸々報酬を受け取ることになる。死亡退職の場合は議会によって対応が異なっている。
 また、183市区の約60%に当たる110市区が、就任時も同様に月額制を採用していた。
 都道府県議会では、日割りが35都県と多数を占めている。
 議員報酬をめぐっては99年、秋田市や札幌市で月初めに退職した市議への支払いが市民の批判を浴び、全国で月額制を日割りにする動きが広がった。05年には合併に伴う松江市議選で、就任月の任期が6日しかない当選者48人に1カ月分(総額約2400万円)が支払われ、再び注目された。松江市議会も現在では日割りを採用している。
 ▽苫米地重亨(しげみち)・青森中央学院大教授(現代政治論)の話 既得権益を守ろうとする地方議会の姿勢がうかがえる結果だ。月額払いの問題を含めて地方議会の特権を洗い直し、選挙などを通じて住民代表とはどうあるべきかを問う必要がある。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070108-00000012-mai-pol