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2007年01月07日(日) 12時34分

狙われる高齢者 被害額最悪ペース読売新聞

悪質商法に用心を

 高齢者を狙って高額な商品を売りつける悪質商法の被害が急増している。県消費生活センターによると、2006年度の上半期(4〜9月)で、65歳以上の高齢者が悪質商法へ支払った金額の総計は、前年同期比27・3%増の約1億6020万円に上っており、半期ベースで過去最高を記録した。

 最近は、主に一人暮らしの高齢者を狙い、販売目的を告げずに勝手に家の中に上がり込み、あの手この手でだまし、最後は高額な契約書にサインさせるケースが多いという。売りつけた商品は、栄養ドリンク55万4000円、遠赤外線の布団60万円など高額だ。

 同センターに相談に訪れた高齢者が実際に支払った金額の総計をみると、03年度に1億円を突破して以来、年々増加しており、05年度は過去最高の約2億5940万円に上った。06年度は前年度を更新する勢いで増えている。

 高齢者の相談件数も、02年度は1003件、03年度は1158件、04年度は2027件、05年度は2715件と右肩上がりで増えている。

 高齢者が契約した商品やサービスをみると、栄養ドリンクなどの健康食品や高額な布団や和服、リフォーム工事などが多く、高齢者の健康志向や趣向に合わせたものが中心だ。

 高齢者が狙われる理由について、同センター消費者相談課の中田鶴子課長は、〈1〉在宅率が高い〈2〉耳が遠いなどで情報が入りにくいため、商品を選別できない〈3〉年金など定期的な収入が見込める——と指摘している。

 さらに、中田課長は「高齢者はだまされたことに気づくのが遅く、何回も被害に遭うケースが多い」と話す。県南地方の男性(66)は、住宅工事業者に「結露がなくなる」と言われ、住宅の外壁工事を契約。外壁工事が終わると、屋根の工事、内装工事と次々と契約を結ばされ、支払った工事代金は計1740万円に上った。しかし、結露は一向に改善されず、男性は不審に思って同センターに相談したという。

 中田課長は「家族や近所、民生委員らが高齢者と頻繁に情報交換して、早期に被害を食い止める必要がある」と訴えている。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aomori/news001.htm