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2007年01月07日(日) 00時00分

『福男』奇抜な服装お断り 兵庫・西宮神社『走りやすい格好で』 東京新聞

 えべっさんで知られる西宮神社(兵庫県西宮市)が、十日えびす恒例の「福男選び」神事で、振り袖や防具姿など走るのにふさわしくない格好とみなした人に、スタート位置を決めるくじ引きへの参加を認めない方針を決めた。

 昨年、巫女(みこ)姿の参拝者が転倒し、後続も巻き込まれる事故が発生。一つ間違えれば大惨事になりかねないため、安全を最優先して「服装チェック」の徹底を決めた。

 福男選びは、えべっさん本宮の十日早朝、表大門の開門と同時に参拝者が約二百メートル先の本殿を目指して参道を駆け抜け、上位三人をその年の福男とする名物神事。年々人気が高まり、ここ数年は二千人程度が参加している。

 近年は門前の場所取りが過熱。数日前から泊まり込んで最前列を狙う人が増えてきたため、昨年は場所取りを禁止し、抽選で前から百八人を決め、混乱の解消を図った。

 しかし、今度は着ぐるみや防具などをかぶった参拝者もちらほら見られるように。昨年は最前列付近の巫女姿の女性が神社側の説得にもかかわらず参加。後ろから押されて転び、騒動となった。

 このため、昨年から参加を断っている泥酔者や子どもに加え、奇抜なファッションも制限することにした。神社側は「福は参拝者全員に授けられる。走りやすい格好で参拝して」と呼びかけているが、「目立つことが神事の目的ではない。言うまでもないが…」と、戸惑いを隠せない。

 同神社はこのほか、参拝者がスタート位置を代わらないよう、身分証の提示や抽選後に撮影した顔写真との照合も検討したが、「参拝者のモラルに任せる」として、本人確認は行わないことにした。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070107/mng_____sya_____009.shtml