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2007年01月06日(土) 00時00分

エコなリヤカー“復権” 東京新聞

 一時期あまり見かけなかった昔懐かしのリヤカー。最近は軽量化された折り畳み式やカラフルなものも登場し、手軽で環境にやさしい運搬手段として再び注目を浴びている。

 五十年以上リヤカーを製作しているムラマツ車両(東京)によると、リヤカーは大正時代には既に生産されていたという。一九六四年の東京オリンピック以前は広く使われていたが、軽トラックなどの普及で需要が激減した。

 同社の村松孝一社長は「阪神大震災以降、防災面でも注目されるようになり、アルミ製の折り畳み式を開発したところ、自治体からの注文が増えた」と話す。

 宅配便大手のヤマト運輸(東京)や佐川急便(京都市)は、トラックが入りにくい住宅密集地域や繁華街で宅配に活用。自転車と一体型になったリヤカーを使っている佐川急便九州支社は「昨年六月に改正道交法が施行され、トラックの駐車違反対策もあり導入した。現場では台車と併用している」という。

 一方、オーダーメードのリヤカーがこだわりという業者も。長崎県南島原市の中村輪業は「老人や女性、子どもにも使える」というコンセプトで、軽量リヤカーを中心に製造販売している。

 引退した盲導犬を飼っている岡山県の女性からは「歩けなくなった犬を外に連れて行けるリヤカー」の注文を受け、振動を抑えたり、玄関のたたきに直接犬を降ろせるよう工夫して製作。家の間口や周辺の道路状況に合わせた細かい注文にも応じている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070106/eve_____sya_____006.shtml