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2007年01月06日(土) 18時37分

福岡市教委ナンバー3の理事が漏洩 教員採用試験朝日新聞

 福岡市教委が05年8月に実施した小中学校教員の採用試験内容の一部が事前に漏洩(ろうえい)していた問題で、同市は6日、市教委のナンバー3で、採用試験を作成する問題検討委員会の委員長を務める理事(60)が、元同市立小学校長(65)に口頭で試験内容を漏らしたとみられる、と発表した。

 市教委によると、漏洩されたのは、採用試験の2次試験で行われた小中学校の「集団面接」と「模擬指導」の課題。試験の約1カ月前、元小学校長が市教委の理事室に理事を訪ね、口頭で試験内容の一部の漏洩を受けたという。

 2人はともに福岡教育大の卒業生。元小学校長は試験前日の同年8月20日、同大出身の教員試験受験者ら約50人を集め、同大同窓会の有志が主催する試験対策の勉強会に出席。市教委の調べで、221人の合格者のうち、少なくとも20人がこの勉強会に参加したり、配布された書類を見たりしていたという。

 市教委が事情を聴いたところ、この理事は「最近の教育界が抱える課題を語っただけ」と話し、漏洩に当たらないとの認識を示した。元小学校長は「(理事が語った内容が)今年の2次試験とは思わなかった」と説明したが、市の事情聴取後、連絡がとれなくなった。

 同市教委の植木とみ子教育長は「2人の認識は甘かった。社会正義上、許されることではない」と話している。

http://www.asahi.com/national/update/0106/TKY200701060252.html