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2007年01月06日(土) 15時56分

即席めんで世界の災害、飢え救済 日清食品・安藤百福さん産経新聞

 ■大阪ラーメンサミットに情熱

 インスタントラーメン(即席めん)の生みの親で、5日亡くなった日清食品創業者会長、安藤百福さんが晩年に意欲を燃やしていたのは、平成20年に大阪で「世界ラーメンサミット」を開くことだった。「世界では今も飢えに苦しんでいる人は多い。インスタントラーメンで貢献したい」。即席めん誕生の地の大阪でサミットを開くねらいを、こう語り、被災地などに非常食を送る「災害援助ラーメン基金」の創設を目指していた。

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 内外のメーカー関係者が即席めんの品質向上や消費拡大を話し合うラーメンサミットは、安藤さんが会長を務めた世界ラーメン協会の主催。平成9年の東京を皮切りにバリ、バンコク、上海、ソウルで開催されたが、大阪は今回が初めてとなる。チキンラーメンが生まれた大阪府池田市を会場に予定している。

 協会は、3年前のインド洋大津波や一昨年の米国の超大型ハリケーンなど世界で大規模災害や戦乱が起きるたびに非常食として即席めんを送っている。「災害援助ラーメン基金」はこの活動を組織化するもので、大阪サミットでの創設を目指して準備している。

 「食足世平」(食足りて世は平らか)−。終戦直後の食糧難を経験した安藤さんの原点は、日清食品の企業理念ともなっているこの言葉だ。

 日清食品は、昭和46年に発売したカップめん「カップヌードル」で世界市場に本格進出する。米国への視察旅行で安藤さんが、アメリカ人が即席めんを紙コップに入れてお湯をかけ、フォークで食べている姿を目撃したことがカップめんを考案するきっかけとなったのは有名なエピソードだ。カップめんの登場後、即席めんは世界中の食卓に並ぶようになる。

 即席めんは宇宙にも飛び出した。日清食品が、宇宙開発事業団(現宇宙航空研究開発機構)と共同で宇宙食用の「スペース・ラム」を開発。無重力空間でもスープが飛び散らないような工夫がされ、2005年に宇宙飛行士の野口聡一さんがスペースシャトルに搭乗した際に味わった。

 一昨年の世界の即席めん消費量は857億食(世界ラーメン協会調べ)。世界中で1人当たり13食を食べた計算だ。国別の需要でみると中国・香港は442億食、インドネシアは124億食と54億食の日本をすでに追い抜いている。米国は39億食、韓国は34億食。即席めんは「世界食」になったといえそうだ。

 中国ではさらに需要が伸びており、昨年8月、大阪でのサミット開催を発表した記者会見で安藤さんは「(世界需要が)従来の見通しより1年早い09年には1000億食の大台を超えそうだ」と期待を示していた。

 即席めんの普及にかけた半生。サミットはその集大成になると考えていたのかもしれない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070106-00000016-san-bus_all