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2007年01月06日(土) 01時08分

日清食品創業者会長の安藤百福さん死去 即席めんを開発朝日新聞

 日清食品の創業者で即席めんを開発した創業者会長の安藤百福(あんどう・ももふく)さんが5日午後6時40分、急性心筋梗塞(こうそく)で亡くなった。96歳だった。葬儀は近親者のみで行い、社葬の日取りは未定。喪主は妻仁子(まさこ)さん。

 日本統治下の台湾生まれ。日本に渡り、繊維問屋などを営んだ。34年に立命館大学専門学部を修了。製塩業、金融業など様々な事業をしながら、48年、日清食品の前身にあたる貿易や卸問屋を営む中交総社を設立、社長に就任した。

 戦後の焼け跡でみかけたラーメンの屋台の印象が強烈だったことから、自宅の裏庭にこしらえた作業所で57年初めから即席めんの試作に取り組んだ。翌年、商品化に成功し、インスタント食品の草分けである「チキンラーメン」を発売した。社名も日清食品に変更した。48歳の時だった。その後もカップ入りの即席めん「カップヌードル」など数々のヒット商品を発案、同社を世界10カ国で年間100億食を生産する世界一の即席めん会社に育てた。

 81年に社長を長男に譲り会長になったが、2年後再び、社長に復帰し会長と兼務した。85年に次男の宏基氏を社長に据え、会長に専念した。晩年も自社の商品への愛着は人一倍強く、すべての商品の味見をしていた、という。92年、森永製菓が「チキンラーメン」の名称を用いたスナック菓子を発売した時は、「チキンは我が社の原点」として争い、販売停止に持ち込んだ。

http://www.asahi.com/obituaries/update/0106/001.html