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2007年01月05日(金) 00時00分

残業代不払い制見送り論が急浮上…そのワケZAKZAK

 「状況が悪過ぎということです。労働者側は残業を取り上げ、働き過ぎを助長すると猛烈に反対していますから。4月の統一選を控え、7月には参院選もある。強引に(労働法改正案を)提出したら、選挙への悪影響は避けられません」とは自民党関係者。

 日本版ホワイトカラー・エグゼンプションは日本経団連を中心となり、「ホワイトカラー(事務職)の仕事の成果は労働時間では計れない」として導入を希望。厚労相の諮問機関である労働政策審議会の労働条件部会が検討してきた。

 しかし、連合などの労組が「残業代を払わなくていい制度。人件費を圧縮したい経営側の意図は明白」と猛烈に反対。経済同友会でも制度導入は時期尚早などと主張している。

 与党内でも、自民党の丹羽雄哉総務会長が4日午前、地元の茨城県石岡市で開いた新春会合で講演し、「賃金抑制、長時間労働を正当化する危険性をはらんでいる」と指摘。「法改正には極めて慎重に対応しなければいけない」と明言し、公明党の太田昭宏代表も慎重な立場を取る。

 「早い話、こんな状況で(労働法改正案が)提出されれば、徹底抗戦の構えをみせる民主党を含めた野党を利するだけ。サラリーマンの味方をアピールして好感度は倍増です」(先の関係者)

 与党側の「選挙に悪影響だから」は素直に喜べないが、どんな理由であれ、見送り論の浮上はサラリーマンにとって朗報ではあるが…。 

ZAKZAK 2007/01/05

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007010529.html