記事登録
2007年01月05日(金) 11時31分

<関空未公開株>無登録業者が勧誘 大阪府警が詐欺で捜査毎日新聞

 関西国際空港を運営する「関西国際空港会社」(大阪府泉佐野市、非上場)の未公開株を「近く上場され値上がり確実」などと偽り、無登録の複数の仲介業者が高値で販売したり購入を勧誘していることが分かった。額面(5万円)の10倍以上で販売されているといい、被害は数億円に上る恐れもある。府警関西空港署は詐欺や証券取引法違反(無登録営業)の疑いがあるとみて捜査。同社も投資家に注意を呼びかけている。
 関空会社の資本金は7885億5665万円で、発行済み株式1620万株の過半数を政府が保有する特殊会社。市場では売買されていないが、民間企業や個人に190万株(11.74%)が割り当てられており、一部が証券業登録のない投資顧問会社などを通じ販売されているとみられる。株式の譲渡制限はなく、これまでに約540株(2700万円相当)の名義が書き換えられている。
 関西空港署などの調べでは、仲介業者は数社確認されており、過去に新規公開株の初値が売り出し価格の数倍に跳ね上がった例を持ち出し、ホームページやダイレクトメールで「関空会社株も上場後は何倍もの値上がりが見込める」などと宣伝。1株50万〜100万円程度で販売しているという。
 同署は05年10月、関空会社から連絡を受けて情報収集を開始。東京の無登録業者から任意で事情を聴いたところ、「数人に売ったが(当事者間の)相対取引であり、業として販売したのではない」と無登録営業を否認された。被害届は出ていないという。
 関空会社は約1兆2000億円の有利子負債を抱え、上場の見通しは立っていない。同社は「事実と違う内容を告知して勧誘する例が多いが、当社は株式の売買を一切外部委託していない」としてホームページで注意を呼びかけている。【奥村隆】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070105-00000031-mai-soci