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2007年01月05日(金) 00時00分

日興元証券マン「詐欺」顧客女性証言読売新聞

「確実にもうかる」約束名刺、領収書代わり渡す

 証券大手「日興コーディアル証券」高崎支店(高崎市)の元社員(48)による架空の投資話を巡る訴訟で、同社を相手取り約1700万円の損害賠償を求めて前橋地裁高崎支部に提訴した高崎市内の無職女性(71)が4日、読売新聞の取材に応じ、元社員の勧誘方法や、預けた金は孫の学費などに充てるつもりだったことなどを証言した。

 女性によると、元社員は2004年6月ごろから、担当外交員の後任として女性宅を訪れるようになり、05年12月中旬、「おばの名義で買った株が値上がりしている。資金を出してくれれば利益をつけてすぐに返す」などと持ちかけてきた。実在の銘柄を示した上、株価の動向や具体的な利益の額なども提示し、「確実にもうかる」とも話したという。

 信用した女性は、元社員の運転する車で銀行を訪れ、現金250万円を引き出して元社員に預けた。その際、元社員は「日興コーディアル証券高崎支店 ファイナンシャルアドバイザー」と記された名刺の裏に、受領額と利益を記し、領収書代わりに渡してきた。女性は06年1月まで計5回にわたり、計約1700万円を元社員に預けたという。

 しかし、女性の代理人弁護士によると、元社員は他の顧客にも同様の行為を繰り返し、女性から預かった金は、別の客への返済に充てていた。女性に架空の投資話を持ちかけた理由について、元社員は「簡単に他言せず、すぐにお金を用意できそうな人を選んでいた」などと明かしたという。

 女性は「有名な会社の社員だったし、語り口も穏やかだったので信用しきっていた。悔しい。早く返ってきてほしい」と語った。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news001.htm