記事登録
2007年01月05日(金) 00時00分

観光客誘致へ軍艦島発進朝日新聞

 ◇遊歩道や桟橋整備 長崎市◇
   来年にも上陸可能に

 海底炭鉱で栄えた長崎市の端島(軍艦島)で、市が07年度から桟橋や遊歩道の整備を始める。明治期の貴重な産業遺産として注目を集めている同島への上陸を可能にし、観光地として売り出そうという狙いだ。市は07年度予算案に関連経費を盛り込む方針。

 計画では、島の南東部にある既存の桟橋を船舶が接岸できるように改修。岸壁近くには数百メートルの遊歩道も設ける。
 廃虚となっている高層住宅群については、「風化の過程を見せる」として、当面補修などはしない予定。建物周辺は、がれきなどの崩落の危険があることから立ち入りを規制し、遊歩道も約50メートル離れた場所に整備する。予算は数億円に上る見込み。

 軍艦島は長崎港から南西約19キロに浮かぶ離島で、外周は約1・2キロ。明治時代から海底炭鉱の島として栄えたが、74年の閉山とともに無人島になった。現在は市が管理。調査研究などの目的に限って島への上陸を許可している。
 九州の他の産業遺産と合わせて「世界遺産」の登録を目指そうという動きが広がっており、昨年10月には経済産業省の視察団が訪問。昨年の「長崎さるく博06」でも、島の周囲を船でめぐるクルーズが人気を集め、観光地として活用すべきだとの声が関係者の間で強まっていた。

 池田敏明・市企画理事は「早ければ来年度中に工事を終え、08年春に観光客が上陸できればいい」としている。

http://mytown.asahi.com/nagasaki/news.php?k_id=43000000701050004