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2007年01月04日(木) 00時00分

諸井虔氏が死去…財界の論客、楽天の強引提案に苦言ZAKZAK

 太平洋セメント特別顧問で、地方制度調査会会長などを務めた諸井虔(もろい・けん)氏が昨年12月29日午前11時40分、悪性リンパ腫のため東京都文京区の病院で死去したことが4日分かった。78歳だった。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。お別れの会を開くが日時、場所などは未定。喪主は長女の夫の諸井勝(もろい・まさる)氏。

 1953年に東大経済学部卒業後、日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)に入行。67年に秩父セメント(現太平洋セメント)に移り、76年に社長、86年に会長に就任し、2000年に相談役に退いた。

 財界の論客として活躍し、経済同友会副代表幹事や日経連(現日本経団連)副会長などの要職も歴任。ただリクルート事件の関連で未公開株を譲り受けていたことが発覚し、同友会副代表幹事を辞任した。

 95年から01年にかけては、政府の地方分権推進委員会の委員長を務め、地方に対する国の補助金の合理化などを勧告。その後、政府の地方制度調査会会長となり、昨年2月に小泉純一郎首相に都道府県の廃止と道州制の導入を提言した。

 株式の上場廃止につながる有価証券の虚偽記載問題で揺れた西武グループでは、経営改革委員会委員長として経営刷新を主導。TBS企業価値評価特別委員会の委員長としては、楽天の強引な統合提案に苦言を呈した。 

 父の諸井三郎氏(故人)と弟の誠氏は、ともに作曲家。

ZAKZAK 2007/01/04

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_01/t2007010435.html