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2007年01月04日(木) 15時02分

<警察庁>「鬼警部」育成を目指す  団塊大量退職で毎日新聞

 警察庁は、全国警察の警部を対象に警察大学校(東京都府中市)で行う昇任時教育で、来年度から球技大会をはじめとした行事を減らし、捜査実務や職務倫理の時間を増やすなど、カリキュラムを見直すことを決めた。防犯民間ボランティアなど、警察外部の講師も積極的に招く。来年度は、団塊世代の退職が約1万2000人とピークを迎え、事件現場などで指揮にあたる警部の役割が高まる。このため教育強化で「鬼警部」の育成に力を入れていく方針だ。
 同庁によると、全国警察に勤務する警部は約1万6700人。警察署では課長、警察本部では課長補佐クラスにあたり、事件現場などの一線では指揮官としての役割が求められる。
 警察署の勤務では、夜間の当直責任者として事件捜査の初動指揮を担当することも多い。このため、新カリキュラムでは、実際に当直責任者やその他の事件関係者役になって学ぶ「ロールプレーイング」(役割演技)の方式を取り入れる。
 また、外部の講師からは、主に「国民が警察に何を求めているか」について理解を深める内容の講義をしてもらう。不祥事が相次いだこともあり、内向きになりがちな目を外に向けるためだ。
 現行の警部に対する警察大学校の教育は▽42歳未満は6カ月の長期課程▽42〜49歳未満は3カ月課程▽49歳以上は管区警察学校で別のカリキュラム——を実施しているが、実際には、年間1300人の受講者の3分の2が3カ月の短期課程。新カリキュラムはこれでは短すぎるため、長期課程は行事削減でスリムにし、年齢によらず4カ月の課程に統一する。
 同庁人事課は「警部は現場指揮官であると同時に、部下の管理者としての役割も担う警察組織として重要な立場にある。精強な第一線警察を構築するために、教育の見直しはぜひとも必要」としている。【遠山和彦】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070104-00000054-mai-soci