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2007年01月04日(木) 00時00分

大阪市、国内初登録狙う ユネスコの特色ある都市ネット朝日新聞

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)が文学、映画、音楽など七つの分野別に特色ある世界の都市を認定する「クリエイティブ・シティーズ・ネットワーク」について、大阪市が07年中に、国内登録第1号を目指して立候補する方針を決めた。「食い倒れ」の伝統を生かした「食」分野か、インターネットやデジタル産業の集積を生かした「メディア・アート」分野で申請する予定だ。

 同ネットワークはグローバル化が進む中で、世界の文化的多様性を守るため、ユネスコが02年に発足させた。(1)文学(2)映画(3)音楽(4)フォーク・アート(民芸)(5)デザイン(6)メディア・アート(7)ガストロノミー(食)の7分野ごとに登録を受け付け、認定を受けた都市は互いに交流しつつ、その分野の振興を図る。

 これまでに認定されたのは、エディンバラ(英国、文学)、ボローニャ(イタリア、音楽)、セビリア(スペイン、同)、サンタフェ(米国、民芸)、ベルリン(ドイツ、デザイン)、モントリオール(カナダ、同)など9都市。アジアでは上海(中国)が申請中だが、日本ではまだ正式に名乗りをあげた都市はないという。

 財政難に苦しむ大阪市は、市政改革の一環として、従来の「ハコモノ行政」を脱却し、文化・芸術などの分野の人的資産を産業に結びつけて市を活性化させる「創造都市戦略」を策定中だ。同ネットワークへの登録は、「市政方針の転換にはずみをつける」(市経営企画室)狙いもある。認定後は、国際会議やワークショップなどのプロジェクト推進が求められ、活動内容が趣旨にそぐわない場合は、認定を取り消されることもあるという。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200701040042.html