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2007年01月01日(月) 00時00分

「今こそ新憲法」 安倍首相が年頭所感 中日新聞

 安倍晋三首相は1日、年頭所感を発表し「憲法が施行されてから60年になる。新しい時代にふさわしい憲法を、今こそ私たちの手で書き上げていくべきだ」と強調し、任期中の憲法改正実現に強い意欲を表明した。

 その上で、改正手続きを定める国民投票法案の成立を今月25日召集の通常国会で目指す考えを示した。

 また、12月に閣議決定した道路特定財源の見直しについて「まず真に必要な道路予算の額を決めた上で、それ以上の揮発油税などの税収はすべて一般財源化する」と説明、「揮発油税」を明示した。

 政権の最重要課題に掲げる教育改革では(1)質の高い教育(2)家庭や地域の教育力の向上(3)教育委員会の在り方−を挙げ「教育再生会議で抜本的な施策案を検討し、政府全体で取り組む」と決意を明らかにした。

 北朝鮮の核問題については「6カ国協議の枠組みで平和的、外交的な解決を図る」とするとともに、「拉致問題の解決なくして国交正常化はあり得ない」とあらためて指摘した。

 ◇格差の是正求める 河野衆院議長

 河野洋平衆院議長は1日恒例の年頭所感で、国内経済について「景気は回復してきたものの国民の多くは好景気の実感に乏しく、個人消費が伸びていない」と異例の指摘をした。

 その原因について「企業利益が雇用者の賃金に反映されず、将来の社会保障制度や税制度の不透明感に不安を抱いているからだ」と分析。格差是正への取り組み、年金制度や税制改革、歳出削減など必要な政策を講じて「明確に国民に説明することが求められる」と政府に注文を付けた。

 ◇選挙制度の改革を 扇参院議長

 扇千景参院議長は1日の年頭所感で、今年が参院発足60周年に当たることを挙げ、「参院は、衆院で集約されない多様な民意を国会に反映して政府の活動をチェック、衆院に抑制と均衡の機能を発揮することが期待されている」と強調、参院にふさわしい選挙制度改革を検討する考えを示した。


http://www.chunichi.co.jp/00/sei/20070101/mng_____sei_____001.shtml