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2006年10月24日(火) 00時00分

丸尾被告、暴力団に1800万円「上納」 八尾恐喝事件朝日新聞

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 大阪府八尾市発注工事を巡る企業恐喝事件で、NPO法人理事長の丸尾勇被告(58)=恐喝罪などで起訴=の関連会社が、暴力団山口組系の組員名義の口座に約3年間にわたって計約1800万円を振り込んでいたことが大阪府警の調べでわかった。丸尾被告側には、ゼネコンを含む公共工事の受注業者から「地域協力金」名目などで現金が渡っていたとされる。府警はこの一部が「上納金」として流れていた疑いが強いとみて、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の収受など)容疑で捜査を始めた。

 府警によると、丸尾被告は山口組系健竜会(神戸市中央区)の相談役でもあり、この肩書などを利用して受注企業に金を要求していたとみられる。府警は、健竜会相談役の肩書の「使用料」として、受け取った金の一部を同会へ支払っていたとみている。

 捜査4課の調べでは、振り込んでいたのは、82年設立の廃棄物処理・運搬会社(八尾市)。登記簿によると、99年まで丸尾被告が代表取締役を務め、現在は元妻が引き継いでいる。

 府警が健竜会の関係先を家宅捜索した際、同会組員だった神戸市内の男名義の銀行口座に、96年ごろからほぼ毎月50万円が振り込まれていたことが判明。振り込みがない月もあったが、その翌月に100万円が入金されていた。

 振り込みは男が同会を脱退したとみられる99年ごろまで3年間続いていたという。府警は、この組員から健竜会に金が流れたとみている。また99年以降も別の口座を利用して振り込みが続いていた疑いが強いとみて解明を進めている。

 丸尾被告は、同市発注の市営住宅改修工事で、下請けした八尾市内の建設会社から100万円、別の電気設備会社からも80万円を脅し取った容疑で逮捕された。

 さらに、これまでの調べで、98年に市発注の配水場建設工事を受注した大手ゼネコン鹿島から6500万円、02年には市立障害者総合福祉センターの建設工事を受注した中堅ゼネコン浅沼組などの共同企業体から2600万円が支払われていたことがわかっている。

 丸尾被告は、部落解放同盟大阪府連安中支部の相談役だったが逮捕後の9月19日付で辞職。同支部は市立安中人権ふれあいセンターから退去している。

 丸尾被告はNPO法人「八尾市人権安中地域協議会」などへの「地域協力金」や「地元対策費」の名目で金を受け取っていたとされるが、NPO法人の会計帳簿にはこれらの入金記録はなく、これまでに判明した同被告の個人口座などにも多額の現金が振り込まれた形跡がないという。

 健竜会は山口組傘下最大組織とされる山健組の有力組織。府警によると、準構成員も含め勢力は約千人に上るという。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200610240040.html