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2006年09月20日(水) 00時00分

「○○ちん」てよばないの?朝日新聞

イラスト

   

 仕事場の男性に「あべちん」とよびかけたら、「へっ」という顔。まわりの人も「○○ちん」てよばないよって。わたしが育った新潟では「ともちん」のようによびました。関西では「○○ちん」といわないの?……兵庫県姫路市の藤原留理子(ふじわら・るりこ)さん(54)からこんなお便りがきました。みんなはどう? 何てよばれてますか?(河合真美江)

 テレビを見てたら「ゆかちん」だって。ドラマ「CAとお呼びっ!」で観月ありささん演じる「さえさん」は仕事仲間をそうよんでいた。大阪育ちの友だちナナさん(25)も会社で「ななちん」とよばれたし、神戸育ちのトモヤさん(33)も「ともちん」。「ちん」は広く使われるよ。

 鳥取育ちで神戸に暮らす河上政治(かわかみ・まさはる)さん(85)が手紙に書いてくれたのは——。弟博秋(ひろあき)さんのよび方は「ひろちゃん」「ひろたん」「ひろちん」と変化する! なかよし、もっとなかよし、もっともっとなかよしの順。こういうの英語にすれば比較級。妻の君江(きみえ)さん(80)は「きみちん」だと語呂が悪かったので「きみたん」。「でも何十年も前の新婚時代でいまはおカアちゃんとよびますよ」

 「ちゃん」から「ちん」はうまれたんでしょう、と武庫川女子大の佐竹秀雄(さたけ・ひでお)先生(58)。人をよぶ「ちゃん」が本に出るのは1800年代。明治期に広まり、「ちん」はそれ以降だ。

 愛称は名前の1音節か2音節をとって、「たん」とか「っぺ」とかつけることが多い。「名前によってつけやすい語はかわるし、よばれる人の性格でもピタリとくるものがちがう」。大阪育ちの佐竹先生は「さったん」とか「さたけやん」だったって。「やん」は関西の男の人に多いよね。

 いまの子は友だちを「○○ちん」「○○やん」てよぶかな? 5年生の娘にきくと「ヘン!」とバッサリ。それより「もえぴー」とか「みゆりん」だって。

 20歳の女子学生にきくと

 みなみ→みぃ

 ゆき→ゆぅ

 まき→まっきー

 ゆかこ→ゆっち

 こんなふうに「短く、かわいくよばれたい」のだとか。「たん」はちょっとブリッ子で、「りん」はかわいい。いまは「っち」が人気らしい。子どもの名前にはやりがあるように、それにつく「ちん」や「っち」にもはやりすたりがある。

 20年ほど前、埼玉大の山口仲美(やまぐち・なかみ)先生は東京の学生約200人を対象にあだ名と愛称調べをし、「命名の言語学」という本にまとめた。名前にくっついて愛称をつくる語は25種も出てきた。「前からほぼ出そろっているんですね。流行は芸能人の影響をうけやすいかも」と山口さん。

 その調べでは愛称が228例、あだ名が1089例もあがった。だけどこのごろ、子どもの間であだ名はへってきたみたい。学校では女の子も男の子も「名字+さん」が奨励される。

 でも、あだ名や愛称がつくのはクラスの人気者だからだと思うんだけど……。

http://www.asahi.com/kansai/honma/OSK200609200006.html