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2006年09月03日(日) 07時36分

ライブドア事件 堀江被告あす初公判 “孤立無援”なお強気産経新聞

 ライブドア(LD)事件で、証券取引法違反罪に問われた前社長、堀江貴文被告(33)の初公判が4日、東京地裁(小坂敏幸裁判長)で開かれる。元側近らが堀江被告の関与を次々と証言する“孤立無援”のなか、堀江被告側は「犯意も共謀関係もない」と無罪を主張し、元側近らの証言を切り崩して巻き返しを狙う方針。また、堀江被告が公の場で事件の詳細を語るのは初めてとなり、逮捕時から一貫して強気の姿勢を崩さない“時代の寵児(ちょうじ)”の供述内容にも注目が集まる。

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 「(堀江被告は)『やり切るしかない』と話し、架空売り上げの不正計上を了承した」

 LDの元ナンバー2で、堀江被告の「側近中の側近」と言われた宮内亮治被告(39)=同罪で分離公判中=は、自らの公判で堀江被告の関与を生々しく再現した。

 「堀江被告の指示だと思っていた。そうでなければやらなかった」

 分離公判中の元側近らは、堀江被告が一貫して事件への関与を否定するなかで次々と関与の実態を供述しており、「堀江被告はまさにがけっぷちに立たされた状態」(関係者)。

 ある検察幹部も「堀江被告が何を言おうと、収集した証言や証拠には絶対の自信を持っている」と余裕をみせる。

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 こうした“逆風”のなか、弁護側は検察側の描く「堀江被告主導による不正な錬金術」との構図を否定し、巻き返しを図る。

 公判前整理手続きで争点はすでに固まっており、3つの主要争点で検察、弁護の双方による攻防が繰り広げられる。

 争点(1)は、ライブドアマーケティング(LDM)が株式交換でマネーライフ社を買収した際の交換比率の妥当性。検察側はLD側の利益を増やすため、マネー社を不当に過大評価したと主張。弁護側は「企業価値は当事者同士の評価の問題で、違法性、虚偽性はない」と主張する。

 争点(2)は、検察側が「錬金術の核心」と位置づける投資事業組合の実態。検察側は「投資事業組合はLDと実質的には同一組織」と主張。違法な自社株売却益の還流は、同社トップの堀江被告の指示と主張するが、弁護側は「法的にも組織としても、両者は別物」として、堀江被告の関与を否定する。

 さらに、争点(3)となる架空売り上げの計上でも弁護側は「堀江被告は関与せず、実態を知らない」と無罪を主張。宮内被告ら元側近の供述も「検事による誘導があるなど真実性に乏しい」とみており、宮内被告の証人尋問などによる“直接対決”で供述の信用性を問う考えだ。

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 今年1月の逮捕後、堀江被告は検察側の調べに対して「検事は自分の話に聞く耳を持たない」などと供述を拒否。このため、作成された堀江被告の調書は身上・経歴調書など2通のみで、保釈後も事件に関しては口を閉ざしたままだ。

 しかし、堀江被告は弁護人に対し、「自分の公判では、意見をしっかりと言いたい」などと被告人質問に強い意欲をみせており、事件の真相を初めて自らの言葉で語る可能性が高い。

 また、堀江被告の供述は宮内被告ら元側近の公判のほか、場合によっては検察側の立証に大きな影響を与える可能性もあり、こうした意味でも堀江被告の供述に関心が高まっている。

【2006/09/03 東京朝刊から】

(09/03 07:36)

http://www.sankei.co.jp/news/060903/sha004.htm