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2006年08月28日(月) 16時30分

「佑ちゃんハンカチ」過熱 ネットでは1万円の価値産経新聞

≪百貨店に特設コーナー≫

 全国高校野球選手権大会の優勝校、早稲田実業の斎藤佑樹投手が、マウンドで額の汗をぬぐっていたことで注目を浴びた「青いハンカチ」をめぐり、ビジネスの面でさまざまな思惑が広がっている。製造元の「ニシオ」(大阪市中央区)には、「どこで買えるのか」といった問い合わせが殺到した。既に製造していないこともあって、ネットオークションで定価の25倍を超える値がついたり、ハンカチ関連企業の株価が一時急騰したりと過熱気味の状況に関係者からは困惑の声もでている。

 斎藤投手が使用していた「青いハンカチ」は平成13年に、同社が主にギフト用として製造、販売していたタオル地のオリジナルブランドで、縦横25センチの中国製。ロゴの「GIUSEPPE FRASSON(ジョゼッペ・フラッソン)」はイタリア人デザイナーの名前だ。

 昨年9月ごろに製造を中止し、既に在庫がないこともあって、ネット市場では値がつりあがり、定価400円に対して1万円の値がつくケースも。ニシオの西尾武志社長も「中古品を高値で買う気持ちがわかりません」と困惑気味。ブームの行方が不透明で、発注から店頭に並ぶまで2、3カ月かかるため製造再開については未定という。

 百貨店には、優勝が決まったころから、青いハンカチについての問い合わせが相次いだ。このうち、近鉄百貨店阿倍野本店では青色ハンカチを7種類から25日には2倍強の15種類に増やすなどして、客の要望に応えている。タオル地で日本製のものだと、値段は800円から1000円の価格帯が中心で、主婦らが2、3枚まとめて買っていくという。この青色ハンカチのコーナーは月末まで続けるという。

 一方、株式市場でも、「ハンカチ」に関連すると思われる企業の連想買いを誘った。

 中でも、ジャスダック証券取引所に上場するハンカチなどの専門商社の川辺の株価は早実優勝の翌22日から上昇ピッチが早まり、24日には3日間で30%の値上がりとなる308円の値がついた。その後下落に転じ、28日午前の終値は前週末比13円安の244円の水準になっている。

 ■合同練習に300人

 ブームの火付け役となった早稲田実業の斎藤祐樹投手は、米国へ遠征する日本選抜チームの一員として大阪府内で合宿中。27日の練習には300人近いファンが詰めかけ、相変わらずの過熱ぶりを見せた。

 「ハンカチ王子」の愛称がすっかり定着した斎藤投手。ところが合宿初日の25日には、チーム全員が斎藤投手の代名詞でもある青いハンドタオルで汗をぬぐっていた。これはタオルの生産量日本一の今治市出身、宇高幸治内野手(今治西高)の差し入れ。合宿前に市職員から「全日本で配ってほしい」と20枚を託されたといい、「(斎藤には)嫌がられるかなと思ったけど、『ありがとう』と言ってくれました」と宇高内野手。斎藤投手も「うれしかったです」とはにかんでいた。

 チームは28日で合宿を打ち上げ、29日に渡米。米国東部選抜などと5試合を戦い、9月8日に帰国する予定。

【2006/08/28 大阪夕刊から】

(08/28 16:30)

http://www.sankei.co.jp/news/060828/sha062.htm