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2006年08月25日(金) 00時00分

米ロで鳥肉戦争? 東京新聞

 【モスクワ=稲熊均】ロシアの世界貿易機関(WTO)加盟に慎重姿勢を示す米国に対し、ロシアが「十月までに加盟を認めないなら米国からロシアへの鳥肉輸入を制限する」と警告している。これに対し、米側は「このような国の加盟は認められない」と反発。関係が冷却化している米ロ間で今度は「鳥肉戦争」が始まった形だ。

 今回の問題は、米ミシガン州で今月十六日、鳥インフルエンザが見つかったことがきっかけだった。ロシア当局は十九日、同州からの鳥肉輸入を全面的に禁止。本来は衛生問題だったが、ロシアは米国に書簡で、ロシアのWTO問題が十月までに解決しなければ、ミシガン州だけでなく全米を対象に鳥肉輸入枠を大幅に減らすと通告した。

 ロシアは米国から年間八十万トン、金額にして約十億ドル(約千百七十億円)の鳥肉を購入しており、輸入制限は米生産者への影響が大きい。

 イズベスチヤ紙によると、ロシアからの書簡に対し米通商代表部のシュワブ代表は、このようなふるまいをするなら、これから何年間かはWTOのことを忘れた方が良いと語り、当面、加盟を認めない意向を示した。

 ソ連崩壊後、米国からロシアへの鳥肉輸出は両国緊密化のシンボルといわれてきた。一九九二年、ロシアで食料危機が起きた際、米国は安価で鳥肉を提供。ロシアでは、米産鳥肉を当時のブッシュ大統領にひっかけ、親しみを込め「ブッシュの足」と呼んできた。

 現在もロシアで消費される鳥肉の75%が米国産であることから、二十四日付ロシア新聞は「輸入制限でロシア国内の鳥肉価格は急騰する」と指摘。コメルサント紙などは「困るのは米国農民よりもロシア市民」とロシア側を批判している。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20060825/mng_____kok_____001.shtml