悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年08月24日(木) 09時24分

シュレッダー2社、事故後も同型機出荷 経産省報告せず朝日新聞

 シュレッダーの紙投入口に手を挟まれた幼児が相次いで指を切断した事故で、製造会社の「アイリスオーヤマ」(仙台市)と「カール事務器」(東京)が事故を把握した後も、今月まで未改良機種の出荷を続けていたことが分かった。経済産業省からの問い合わせがあるまで、事故報告もしていなかったといい、同省は「早い対応が望ましかった」と指摘している。

アイリス社製の「SCA−410D」。紙投入口の幅が8ミリだった従来品(手前)から、幅は3ミリに改良された

 アイリス社によると、静岡市の女児が事故に遭ったのは3月10日で、3日後には現地販売店から連絡が入ったという。

 両親から再発防止の要請があったことから、4機種について投入口の幅を8ミリから3ミリに狭める改良を決定。5月に改良品の金型が完成した。しかし、同社は「今回の事故は非常にまれな事例」と判断。在庫品を販売しても安全上問題ないとして未改良品を出荷し続け、経産省に事故を報告していなかった。

 同省は現地の消費生活センターの情報で事故を把握し、7月28日に同社に問い合わせた。これを受け同社は初めて詳しい事故内容を報告した。

 大山健太郎社長は23日、記者会見し、「2歳の子どもが操作することを想定していなかった」とし、事故の公表が遅れたことについては「メーカーとしての認識が少し甘かった。反省すべきだと思う」と陳謝した。

 一方、カール社によると、同社は7月15日に東京都内で事故があった後、家族からの連絡で事故を知った。家族とは連絡をとりあっていたが、経産省への報告はしなかったという。

 この間、家族が製品の事故情報などを収集している独立行政法人「製品評価技術基盤機構」に連絡。同省は同機構を通じて事故を知り、会社側に報告を求めたという。

 経産省の指導を受け、同社は投入口の幅を3ミリ以下にする改善策をうち出したが、幅が約4ミリの従来型の出荷を停止したのは、事故の公表前日の今月22日になってからだったという。

 同社は「製品に欠陥があったわけではないので、出荷停止や事故報告は必要ないと解釈していた」と説明している。

http://www.asahi.com/national/update/0823/TKY200608230330.html