2006年08月23日(水) 12時13分

アコムに異例の抜き打ち検査　金融庁、行政処分も視野に（朝日新聞）

　消費者金融大手のアコムに貸金業規制法違反の疑いがある問題で、金融庁は２３日、同社へ立ち入り検査に入った。事前の通告はなかった模様で、金融庁としては異例の抜き打ち検査となった。期間は２週間程度で、本社のほか数カ所の店舗にも入り、業務停止などの行政処分も視野に入れて慎重に調べる考えだ。

　アコムには貸し出しの際に元本や金利などが記載された書類を客に渡さなかったり、過剰貸し付け規制を不当に逃れたりしたなどの疑いがある。

　金融庁はこれらの法令違反によって客が多重債務に陥る恐れがあるとして、店頭だけでなく、無人機や現金自動出入機（ＡＴＭ）での融資で、どのように客に書類を渡し、手続きの経緯をどう記録しているかを調べる。

　また、契約時の本人確認に保険証など写真がない書類を使った例が見つかっており、「名義借り」の防止方法が十分だったかどうかなどについても聴取する。

　この他、客の返済能力を超える過剰な貸し付けを防ぐための審査体制や苦情対応についても検査の対象になる可能性がある。

　金融庁は、同社の内部管理体制の不備が法令違反につながった可能性もあるとみて、規定類の整備や社員教育の実態なども調べる方針。

　同社は１月の検査で事務処理のミスが複数件見つかっている。今回の検査では前回の指摘事項の改善状況も調べることになる。

http://www.asahi.com/national/update/0823/TKY200608230156.html