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2006年08月22日(火) 16時06分

無資格ヘルパー派遣 大阪府警、堺の元業者を逮捕産経新聞

 派遣した無資格の介護ヘルパーを有資格であるように装い、介護保険制度に基づく介護報酬など約1200万円をだまし取ったとして、大阪府警捜査2課は22日、詐欺容疑で堺市南区庭代台、訪問介護会社「サトーコーポレーション」(破産)元社長、佐藤秀次容疑者(77)を逮捕した。不正受給した介護報酬の総額は平成15年までの約3年半で約8800万円に上るといい、府警は裏付け捜査を急ぐ。

 同社はすでに府から加算金を含む1億3960万円の返還を請求されており、府内の事業者に対する返還請求額としては過去最大規模。

 調べでは、佐藤容疑者は15年4月、介護保険制度の要介護者計三百数十人の介護に派遣した介護ヘルパーのうち、約30人が無資格だったにもかかわらず、有資格者のように装い、3月分の介護報酬を府国民健康保険団体連合会を通じて堺市に請求、計約1160万円をだまし取った疑い。

 介護保険制度では、国家資格の介護福祉士か、都道府県の指定機関で研修を修了した訪問介護員が介護した場合のみ、介護報酬が支払われる。佐藤容疑者はこれら有資格ヘルパーの介護報酬の請求に、無資格ヘルパー分約340万円を紛れ込ませていた。

 12年4月から15年8月までに佐藤容疑者が不正に受け取った無資格ヘルパー分の介護報酬は約8800万円にのぼるとみられている。

 同社は9年、佐藤容疑者がソフトウエア開発・販売事業を中心に創業。12年の介護保険制度発足時に府から訪問介護事業者の指定を受けた。一方で、佐藤容疑者は高齢者の通院介助などを行うボランティア団体を運営しており、ボランティアの参加者が、同社のヘルパーにまじって、無資格ヘルパーとして派遣されていた。

 同社の不正受給は15年4月に府に内部告発があったことから発覚。府は16年3月、訪問介護事業者の指定を取り消し、府警に詐欺罪で告発していた。介護事業ができなくなった同社は、同年10月に破産宣告を受けた。

 府によると、介護保険制度が発足した12年度以降、介護報酬の不正受給は29の事業者で発覚。返還請求額は計約4億円となっている。

【用語解説】介護保険制度

 平成12年度から介護保険法により設けられた社会保険制度で、介護が必要な人への支援を行う。利用者が増えて財政負担が拡大したため、18年度からは介護予防を重視し、在宅の中重度者への支援を強化した制度へ転換した。現行の制度では、介護保険サービスの財源は被保険者(40歳以上)が50%、国が25%、都道府県と市区町村がそれぞれ12.5%を負担している。サービス利用者の費用負担は1割。サービス利用には、介護が必要であることを公的に認定される必要がある。

【2006/08/22 大阪夕刊から】

(08/22 16:06)

http://www.sankei.co.jp/news/060822/sha073.htm