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2006年08月20日(日) 02時59分

首都圏停電の間接損害「賠償義務ない」 三国屋建設朝日新聞

 首都圏の大規模停電で、送電線に接触したクレーン船を所有する海洋土木会社「三国屋建設」(茨城県神栖市)は、停電でパソコンが使用できなかったり、熱帯魚が死んでしまったりしたなどの間接的な損害について、賠償義務は無いとする見解を、同社のホームページで表明した。

 高橋宏社長名で17日付で表明した見解によると、「通常、予見される送電線の所有者の損害に限り、賠償責任がある」と主張。損傷で停電が発生するかどうかや停電の規模などは「予測が不能だった」とし、「電気の供給が受けられなかったことにより発生した一切の間接的な損害について、当社には損害賠償義務はないものと判断した」と訴えている。

 同社の木股健二会長は「東京電力への賠償義務はあっても、間接的な損害までの賠償義務は無いと考えている」と話した。

 同社は99年にも、水戸市の那珂川で送電線を損傷する事故を起こしている。当時の対応について木股会長は「元請け会社の求めに応じ賠償したが、送電線の復旧費用分などだけで、間接的な損害を賠償した記憶はない」と説明している。

 〈東京電力広報部の話〉 クレーンの接触による停電で生じた一般顧客の損害は契約上、当社に損害賠償責任はないと考えている。三国屋建設と損害を被った顧客との間の賠償責任についてはコメントする立場にない。

 〈東京大学大学院の能見善久教授(民法)の話〉 今回のような「間接損害」は、海外では否定する国が多い。日本の法制度上は一律には否定されておらず、裁判になれば、どこまで賠償の対象となるかは予見可能性の有無などによって判断されるだろう。ただ、過去にこの種の間接損害が争われた例はあまりなく、学説上も対立がある状況からすると、裁判で賠償責任が認められるのは相当難しいだろう。

http://www.asahi.com/national/update/0819/TKY200608190372.html