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2006年08月19日(土) 17時08分

刑務官収賄容疑で逮捕へ 組長と癒着常態化 大阪府警 乗用車や旅行代金産経新聞

 大阪拘置所(大阪市都島区)の刑務官(37)が2年前に恐喝未遂事件で拘置中だった山口組系組長(66)に拘置所内での処遇で便宜を図り、見返りに乗用車や旅行代金を受け取っていた疑いが強まり、大阪府警捜査2課は19日、収賄容疑でこの刑務官の取り調べを始めた。組長や組幹部らからも贈賄容疑で事情聴取を開始。容疑が固まり次第、逮捕する方針。この刑務官については、拘置所内で組長ら暴力団関係者との癒着が恒常化していたといい、府警は刑務官や組関係者を追及し、癒着の全容解明を目指す。
 調べや関係者の話によると、刑務官は平成16年7月、大阪拘置所に起訴拘置中だった組長に、外部との連絡など、禁止されていた行為を見逃すといった便宜を図り、その謝礼として、組長の知人名義の国産乗用車を譲り受けたり、東京ディズニーリゾート(千葉県浦安市)などへの家族旅行の旅費を肩代わりしてもらうなどの賄賂(わいろ)を受け取った疑いが持たれている。
 組長は山口組で「直参」と呼ばれる2次団体の組長。16年6月、自身が治療を受けた歯科医に「まだ歯が痛い、絶対許さんぞ」「今までの治療費を返せ」などと脅した恐喝未遂容疑で逮捕、起訴され、翌7月上旬から保釈されるまでの約1カ月間、同拘置所で拘置された。
 組長は接見が禁止され、拘置所から手紙を送付することも禁じられていたが、刑務官は組長の依頼で、不正に手紙を送信する通称「ハト行為」などを行い、外部との連絡に便宜を図ったとみられるという。
 保釈から約2カ月後の同年10月に、組長の知人女性が所有していた国産乗用車が刑務官の名義に変更され、刑務官は通勤などに使用していた。
 さらに組長は関係者に対し、「刑務官に世話になったので、旅行代金として100万円を渡した」と話していたという。
 組長はこの恐喝未遂事件で執行猶予付きの有罪判決を受けたが、執行猶予中の今月4日、大阪府四條畷市の墓地用地の取引をめぐり、財団法人「飛鳥会」理事長、小西邦彦被告(72)=詐欺罪で起訴=から融資を受けた5億円の返済資金を捻出するため、大阪市内の不動産会社社長を脅迫して、所有権を排除して転売する誓約書を書かせようとした強要未遂容疑などで、府警捜査4課に逮捕された。
 この日早朝、刑務官の自宅近くでは、任意同行を求めるために捜査員が張り込んでいたが、刑務官は乗用車で外出。約2キロ離れた宝塚市内で事故を起こしたところを発見された。
     ◇
 ■狭い世界、不祥事頻発
 受刑者からの収賄や暴行など、刑務所や拘置所の刑務官による不祥事が発覚した例は少なくない。関係者は「『塀の中』という狭い世界で収容者に対して絶対的な立場にあるため、世間との感覚がズレてしまうのだろうか」と、改めて教育、管理の徹底の必要性を指摘する。
 汚職事件では、今回と同様、暴力団関係者との癒着が目立つ。平成14年には、千葉刑務所の看守=懲戒免職=が、傷害致死罪で拘置されていた暴力団組員に携帯電話や食料品を渡した見返りに現金やプロ野球のチケットを受け取って逮捕。さらに神戸刑務所では9年、看守=依願退職=が受刑者から、服役中の元組員らの処遇に便宜を図った見返りに現金を受け取ったとして逮捕された。
 また、16年12月には、名古屋刑務所や東京拘置所で、複数の刑務官が受刑者や収容者の監視中に飲酒やパチンコをしていたことが判明。福岡矯正管区は過去5年半の間に、九州と沖縄の刑務所や拘置所で職員による暴行などの不祥事で33人を懲戒処分にしていた。
(産経新聞) - 8月19日17時8分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060819-00000013-san-soci