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2006年08月18日(金) 00時00分

機内発火を懸念 ソニー電池、米で回収 朝日新聞

 米パソコン最大手デルがソニー製のリチウムイオン電池を大量にリコール(回収・無料交換)した問題で、電池の取り扱い規制強化を検討してきた米航空当局の動きが注目されている。パソコンを機内に持ち込むビジネス客は多く、機内での発火などの恐れがあるからだ。また、日本政府も規制強化の可能性について検討に入った。デジタル化が進んだ先進社会で、情報家電で過去最大というリコールが大きな波紋を呼んでいる。

 米消費者団体コンシューマーアクションの担当者は「パソコンは情報社会の必携機器。ベッド脇や運転席の横、機内にも持ち込まれるので、発火への恐怖感がつきまとう。安全対策は不可欠で、社会的な意味合いからも大がかりなリコールに踏み切ったのだろう」と話す。最近、デル以外のパソコンや電池関連の可能性があるとされる発火例も目立っていた。

 2月にはフィラデルフィア国際空港に着陸しようとしていた貨物機内で火災が発生。貨物にリチウムイオン電池が含まれており、航空安全当局は7月の公聴会で、原因として電池も否定できない考えを示した。

 シカゴ国際空港では5月に欧州航路のファーストクラス客室でパソコンが発火し、機外に放り投げられた後に消防隊が消し止めた。大阪市内の会議の会場で6月、机の上にあったデルのパソコンが炎を噴き上げた映像は、ビジネス界の視聴率が高い経済ケーブルテレビで繰り返し放映された。原因は不明だが、リコールの背景要因としても紹介されている。

 米航空当局に報告された電池の過熱や発火などは91年以降で約60件。グローバル化で交通量が膨らみ、報告例も増えている。すでに旧世代のリチウム電池を客席の下の貨物室に大量収容することを禁じており、普及した高性能のリチウムイオン電池の安全性なども調査中だ。大量輸送だけでなく客室での取り扱いも視野に入れ、規制強化の是非も検討しているという。

 一方、日本の国土交通省も事実関係や米当局、米航空会社の対応について、情報収集に入っている。すでに日本の航空各社に口頭で情報を伝え、注意喚起した。同省幹部は「情報収集の結果と米当局の対応次第では、最終的に持ち込み禁止などの対応をとる可能性もある」としている。

 同省によると、日本の航空各社や、日本を離着陸した海外便の機内で、パソコンが発火した事故の報告は今のところないという。

http://www.asahi.com/digital/pc/TKY200608170485.html