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2006年08月14日(月) 00時00分

グーグル、ネット広告市場をリード読売新聞

 米国のインターネット業界の「4強」が、ネット広告事業をめぐって激しい競争を展開している。先行する検索最大手グーグルを、ヤフー、AOL、マイクロソフトの3社が追いかける構図で、それぞれの強みを生かして広告事業強化に奔走している。(ニューヨーク 小山守生)

■占有率3割

 「我々の事業モデルが極めてうまくいっているということだろう」

 7月20日、ネット上で行われたグーグルの4〜6月期決算発表で、エリック・シュミット最高経営責任者(CEO)はこう胸を張った。

 広告収入の伸びに支えられ、売上高が前年同期の1・8倍の24億5500万ドル(約2855億円)、純利益は同2・1倍の7億2100万ドル(約839億円)と絶好調だったからだ。

 グーグルは、米ネット広告市場で約30%の占有率(シェア)を握る。ネット利用者の検索キーワードに関連した広告が表示される「検索連動型広告」が強みだ。キーワードごとに大きな金額を提示した企業の広告が優先的に表示され、広告主にとって、費用と効果の関係が見えやすい点が評価された。

 巨額の広告収入を原資に、大容量の電子メールや地図検索などのサービスを無料で提供し、さらに閲覧者数を増やしている。

■競売大手と提携 グーグル追撃の一番手が、ポータル(玄関)サイト首位のヤフーだ。閲覧者数の多さを武器に、画面の一角に広告をはり付けるバナー広告などの「ディスプレー広告」に強みを持つ。

 5月下旬には米ネット競売最大手の米イーベイと提携、イーベイのディスプレー広告をほぼ独占的に仲介することになった。グーグルが先行する検索広告でも、システムを年内に大幅刷新する。「主要広告主を対象にしたテスト運用は好評だった」(テリー・セメルCEO)という。

■「動画」で勝負

 米娯楽・メディア大手タイム・ワーナー傘下のAOLと、米マイクロソフトのネット部門「MSN」も、広告事業に本格参入した。

 AOLは2日、閲覧者数を増やす狙いで、電子メールやウイルス対策など大半のサービスを無料にすると発表した。同社は利用者にネット回線を提供する接続業者(プロバイダー)の最大手で、売上高の約80%を会費収入が占めるが、今後は広告収入に軸足を移す。

 5月にはネット上の映像素材に広告を挿入する技術を持つ米ライトニングキャストを買収した。タイム・ワーナーの映画やテレビ番組を広告付きで無料配信するビジネスモデルで先行する考えだ。タイム・ワーナーのジェフ・ビューケス社長は「AOLを再び成長軌道に乗せる」と意気込む。

 「MSN」も5月から、検索連動型広告「アドセンター」の運用を始めた。MSNのネット接続会員(約210万人)らのデータを活用し、年齢や住所、性別などを加味した効果的な広告を出すことができる。「2007年6月期のMSN関連の研究・開発投資は(前期比34%増の)11億ドルに増やす」(スティーブ・バルマーCEO)という。

規模125億ドル、ラジオ抜く

 米ネット広告業界団体のIABによると、2005年の米ネット広告市場は、前年比30%増の125億4200万ドル(約1兆4600億円)に急成長し、ラジオ広告を追い抜いた。米調査会社ジュピターリサーチの予測では、11年には05年の約2倍の259億ドルに拡大し、広告市場の9%を占めるようになる見込みだ。


http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/20060814nt02.htm