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2006年08月12日(土) 00時00分

連夜の盛況お見合いパーティー 相手の裏見抜けますか?朝日新聞

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お見合いパーティーを紹介する雑誌や携帯電話の情報サイト。インターネットを通じ、簡単に参加できる

 「お見合いパーティー」が盛況だ。参加費を払うだけで見知らぬ異性と知り合う機会が得られ、交際を断る気の重さも、合コンを企画するわずらわしさもない。その気楽さや手軽さがうけている。半面、身元確認が十分でない場合も少なくない。大阪府茨木市のマンションなどで起きた女性連続監禁事件では、村本卓也容疑者(42)=逮捕監禁容疑などで逮捕=がお見合いパーティーを利用して2人の被害者に近づいていた。人気の裏側には危うさもある。

 大阪・梅田の高層ビル。夜景を望む一室に仕事帰りの男女約40人が集まった。

 この日のパーティーは「大卒エグゼクティブ」と名付けられたコース。参加費は男性4500円、女性2500円。参加資格は男性の年収600万円以上とうたっている。しかし、受付で身分や所得を示す証明書の提示は求められない。

 時間は90分。2人掛けの机越しに、自己紹介のカードを交換する。男性用には年収や学歴欄。「プロフィルは詳しく書いて。その方が会話が弾みますよ」と司会役の女性が呼び掛けた。

 男性は3分置きに隣の席へ移り、女性に話しかける。「初めてのデートはどこがいい?」。次のフリータイムでは複数の男性から囲まれて話す女性がいる一方で、声が掛からずただ夜景を眺めている女性も。

 参加した20代の幼稚園教諭は「女性ばかりの職場で出会いが少ない」、30代男性は「口べた。パーティーだと司会が女性との会話を取り持ってくれる」と参加の動機を語った。

 終了前、司会が参加者に振り分けられた番号を読み上げ、カップル7組が成立。携帯電話の番号などを交換した。

 同夜。同じビルの1階では、別業者主催のお見合いパーティーが開かれていた。男女10人が参加。こちらも口頭での氏名確認だけだった。

 参加者の女性保育士(27)は携帯電話の出会い系サイトで兵庫県内の男と知り合い、初デートで車で連れ去られそうになった苦い経験がある。代わりに「直接会えるから安心」とお見合いパーティーを利用するようになったという。これまでパーティーに50回ほど参加した。

 約1年前、パーティーで知り合った男性とお酒を飲んだ。帰路、財布から5千円札が抜き取られたのに気づいた。お店でトイレに行って席を外した際に盗まれたと気づいた。それでも「友人と合コンをしようとしても人集めや会場の手配などがめんどくさい。パーティーはリスクもあるが、他に出会いの場がない」と話す。

 「30代限定」「バツイチ理解者」——。そんなお見合いパーティーの広告が雑誌や携帯電話、パソコンの情報サイトなどに並び、京阪神のホテルやビルの一室では連夜のように催されている。

 パーティーを主催するイベント会社は「友人や職場仲間からの紹介だと失敗したときに気兼ねするし、正式な見合いは重い。気軽さがうけている」と言い、「遊びではなく、真剣に交際相手を探している人には貴重な場所。結婚したカップルもいる」と話す。

 2年前から大阪市内でパーティーを開くイベント会社代表の男性は「参加者は大人。我々の仕事は、出会いの場を作るだけだ」と言う。

 お見合いパーティーは登録や許認可申請が必要ない。90年代以降に盛んになったと言われる。経済産業省は昨年、電話帳に登録している全国の結婚仲介業者にアンケートを実施し、業者数を4千弱、利用者約60万人と推計した。

 パーティーは個人業者の主催が多く、IT企業やイベント会社などからの参入組が増えているという。

 連続監禁事件の発覚後、申し込み電話の着信番号を確かめたり、参加者数を数十人から10人程度に制限したりと、安全面の配慮を始めた業者もある。

 老舗(しにせ)の大阪市の結婚情報会社は「新しい会社が次々と現れ、実態がほとんど分かっていない。顔と声が実在するというだけでネット上の出会い系サイトと同じような業者もある」と話す。

 国民生活センター(東京)によると、結婚情報サービスを巡る相談は、昨年度で3197件に上り、10年前のほぼ3倍に増えた。この中には、お見合いパーティーも含まれ「信頼できる業者か」「交際を始めた後にトラブルになった。どうすればよいか」といった相談が寄せられる。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200608120041.html