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2006年08月11日(金) 09時11分

「摂理」、千葉に関東の拠点 幹部宅、性的暴行利用か朝日新聞

 出入国管理法違反容疑などで千葉県警に告発されたカルト集団「摂理」の韓国人女性幹部(44)が、在籍した千葉工大や千葉大を拠点に関東一円で信者獲得活動をしていたことが分かった。女性幹部は鄭明析(チョン・ミョンソク)教祖(61)=強姦(ごうかん)容疑で国際手配=側近で、千葉県内の信者だけで約300人いるという。女性幹部宅では教祖による性的暴行が繰り返されていたといい、脱会支援の弁護士らは「被害の現場の多くは千葉だ」と指摘している。

千葉市周辺にある「摂理」の関係施設

 今年1月、千葉市美浜区のコミュニティーセンター。鄭教祖が大型スクリーンに映し出されていた。女性幹部が教祖の「御(み)言葉」を同時通訳すると、200人以上の信者がパソコンやノートに記録していった。

 女性幹部は小柄で、元信者の女性は「声は低いが力強く、存在感があった」と印象を語った。

 弁護士らによると、女性幹部は88年に来日。その後、93年から千葉工大大学院に7年間在籍。02年からは千葉大工学部に研究生として2年間在籍したという。

 元信者によると、摂理は、千葉大のそばのビルの一室や千葉工大近くのマンション6階の一室に、信者獲得の拠点となる「教会」を設置。千葉市中心部に近い住宅地にある3階建ての女性幹部宅や近くの事務所も拠点だった。

 「サークル活動で使いたいということだった」と2年前に事務所を貸した男性は言う。7月ごろから人影が消えた。女性幹部も所在不明になったが、一連の問題について周囲にはメールで「そんなことはしていない」と否定している。

 弁護士らの調査によると、千葉市中央区にある女性幹部宅では02年ごろ、チアリーダーの女性信者約10人が集められ、入国していた教祖から性的被害を受けた。ほかに性交渉を強要された女性もいた。女性幹部は海外に潜伏している教祖の元に、女性信者を送り込んでいるという。

 バレーボールや合唱などのサークル活動を装って勧誘した。元信者の女性は大学の図書館で声を掛けられ、合唱サークルに入った。メンバーは大学生や社会人ら約20人。半年後、リーダー格から「聖書の勉強をしない?」と勧められた。「教会」の礼拝に行くと、メンバーほぼ全員がいて「やっと来たんだ」と迎え入れられたという。

 別の元信者の男性は習志野市の書店で2人組の男性から「バレーボールを一緒にやらない?」と誘われた。この男性によると、摂理は今年を「伝道の年」と位置づけ、勧誘活動を強化。拠点単位で目標を掲げ、「若い方が素直」と高校生にも対象を広げているという。

 10日に東京都内で記者会見した渡辺博弁護士(第二東京弁護士会)は「教祖による性的被害についても刑事責任を追及していく」と語った。

http://www.asahi.com/national/update/0810/TKY200608100483.html