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2006年08月07日(月) 21時12分

佐野元春、シングル曲ベスト発売 大手を離れ聴き手に接近朝日新聞

 ロック歌手の佐野元春がシングル曲を集めたベストアルバム「THE SINGLES」を出した。80年のデビューから04年まで在籍したレーベル「エピック」での仕事をまとめたものだ。レコード会社の商業的な思惑と、どう向き合ってきたか。大手を離れて自分のレーベルで活動することの意味は。佐野に聞いた。

佐野元春=東京都内で

 アルバムは2枚組み。80年のデビュー作「アンジェリーナ」から代表曲「サムデイ」、04年の「月夜を往け」まで38曲を収録した。自分のことを「どちらかというとアルバムアーティスト」と分析し、シングル曲は「往々にしてアルバムを売るためのガイドという商業的な理由があった」と話す。

 80年代は、自分の音楽が「宣伝ソング」として売れることに抵抗があったという。CMやドラマのタイアップでロックの曲が盛んにヒットするようになった90年代には、心境の変化があった。「ここらで、ちゃんと売ることも考えないと、と思った。商業的なことを考えるというより、自分の音楽を欲している人に、できるだけ多く届ける工夫をしなければ、と考えた」

 92年にドラマの主題歌「約束の橋」がヒット。テレビ出演もするようになり、「ポップスターの仲間入りをしたと、一瞬思ったりもした」とおかしそうに振り返る。

 だが、90年代に肥大化した音楽市場は、その反動もあってか、急激に縮小していく。90年代半ば以降の佐野は、インターネットでライブを流し、楽曲配信にレコード会社と合意して、新しい音楽流通の形に、いち早く取り組んできた。

 04年にエピックを離れ、自分のレーベルを設立した。「大きなマスが先導するのではなく、小さなマスが、組み合わせを変えて本当のリスナーに近づく時代」だと言う。

 音楽業界の構造の変化に自覚的なミュージシャンなのだ。ただ、26年間、大事に抱えているものもあるようだ。「SINGLES」には、80年の「ガラスのジェネレーション」を、原曲と新バージョンの2通りで収録。新録音はボーカルとピアノを残し、ほかの演奏を入れ直した。

 「当時の情熱や反抗心が歌声に立ち現れていて、いまの自分が歌っても勝てるはずがありません」

http://www.asahi.com/culture/music/TKY200608070257.html