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2006年08月02日(水) 03時01分

1等海曹が海自内部情報持ち出す、上海に無断渡航も読売新聞

 海上自衛隊上対馬警備所の1等海曹(45)が、無届けで中国・上海への渡航を繰り返したうえ、持ち出し禁止の内部情報をCDにコピーして自宅官舎に保管していたことが1日、明らかになった。

 上海への渡航目的は、日本人向けカラオケ店に勤めていた中国人女性に会うためで、このカラオケ店は、在上海日本総領事館員自殺問題で登場した中国人女性が勤めていた店だった。1等海曹は海自の調査に中国側への情報提供を否定しているが、警察当局は情報漏えいの可能性もあると見て、1等海曹と女性の交際の実態などについて捜査を進めている。

 1等海曹は2004年4月から、長崎県対馬市の上対馬警備所で海上を航行する船舶の監視員を務めていたが、先月、停職10日の懲戒処分を受け、現在は同県佐世保市にある佐世保地方総監部の管理部付となっている。

 防衛庁海上幕僚監部によると、1等海曹について、「機密情報をコピーして持ち出したり、無断で中国に渡航したりしている」という内部告発があったのは今年4月。同総監部が調査したところ、上対馬警備所敷地内の自宅官舎から、周辺国の軍隊が所有する艦船や潜水艦の写真を集めた内部情報をコピーしたCDが見つかった。1等海曹は、この資料を今年2月に警備所のパソコンでコピーしたことを認めた。

 さらに、自宅官舎には上海在住の中国人女性からの手紙などが保管されており、1等海曹はこの女性と会うため、今年3月までの1年3か月間に計8回も、無届けで上海に渡航していたことも判明した。

 1等海曹がこの女性と知り合ったのは、昨年1月、別の部署に所属していた元3等海曹(28)と上海に旅行した際、日本人向けカラオケ店で接客を受けたことがきっかけ。カラオケ店は、一昨年5月に自殺した在上海総領事館の電信官(当時46歳)が、中国公安当局に連絡役に仕立てあげられたとされる女性と知り合った店だった。

 海幕によると、CDにコピーされた内部情報は「識別参考資料」と呼ばれ、他国の艦船を監視する際などに利用されている。防衛庁の秘密情報は「機密」「極秘」「秘」の3段階で、識別参考資料は、その下の「注意」にあたり、外部に持ち出した場合、自衛隊法には抵触しないが、内規違反にあたる。

 同総監部の調べに対し、1等海曹は「自室で勉強するためにCDを持ち出した」などと説明。1等海曹のパソコンや、携帯電話の通話記録、中国人女性との手紙の内容などを分析した結果、識別参考資料が中国に持ち出された形跡は確認できなかったが、警察当局では他の資料も含め流出の有無を調べている。

 海幕広報室は「上海で現地調査することは事実上不可能。中国人女性がどんな人物で、背後関係があるかどうかについては調べられなかった」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060802it01.htm?from=top