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2006年07月26日(水) 00時00分

NHK理事にトヨタ役員 東京新聞

 トヨタ自動車から金田新専務を迎え、理事に起用することを二十五日に発表したNHK。背景には、民間のトップクラスの企業にならって経営改革を進めている姿勢を広く示すとともに、視聴者対策を強化する狙いがあるようだ。(小田克也、藤浪繁雄)

 NHKでは一連の不祥事を受けて今年一月、改革のための経営計画を発表。外部からの理事の起用も盛り込まれており、今回の発表は既定路線。昨年末から本格化した政府・与党による通信・放送改革の論議の中でも、NHKの経営体質はやり玉にあがっていた。

 そうした中、四月にはNHK職員のカラ出張問題が発覚。世論の批判が高まり、NHKは目に見える形で民間並みの経営改革をする姿を示す必要があった。その切り札となるのが、NHKの体質に染まっていない民間からの理事起用だった。

 NHKの橋本元一会長は二十五日の記者会見で、「(金田氏には)経営全般、業務改革について助言してもらう。NHKが持っていない資質を導入してほしい」などと、実現にこぎつけて満足そうな表情を見せた。

 今回の人事は、NHKのイメージアップに加えて、視聴者対策を充実する狙いも含まれているようだ。

 NHKでは受信料の不払い増加を受けて、受信料を払っている人だけが観覧可能なコンサートを実施したり、今後は、受信料の不払い者に対して簡易裁判所を通じた法的督促を実施する方針。

 こうした施策を講じる上では、事前に視聴者の意向を正確に把握する必要があり、以前よりも視聴者対策はウエートを増しているといえる。

 その意味で金田氏はトヨタ自動車で渉外、広報畑を中心に歩んでおり、まさに適役。橋本会長は「視聴者対応をぜひやってほしい」と期待を寄せている。

 ただ、放送業界と自動車業界とは、まったく畑が違う。橋本会長も「自動車産業の手法が放送業界に適合するかといえばそうではない」と認めており、金田氏が手腕を発揮するまでには一定の時間がかかりそうだ。

 今回の人事をめぐっては、一連の不祥事を受けてコンプライアンス(法令順守)強化のため、弁護士や経理のエキスパートを起用するのではないかとの見方もあった。そうした声を退けて、視聴者対策や広報戦略に重きをおいた感が強く、「天下のトヨタ自動車から来てもらっただけに終われば、NHKへの批判が逆に高まる可能性もある」(中堅職員)と、懸念する声も聞かれる。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/hog/20060726/mng_____hog_____000.shtml