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2006年07月25日(火) 00時00分

群馬大病院 生体肝ドナーに医療ミス 医療ミスを謝罪する群馬大付属病院の森下靖雄院長(中)ら=24日午後、前橋市で(石屋法道撮影) 東京新聞

 群馬大付属病院(前橋市、森下靖雄院長)は二十四日、昨年十一月末に行われた生体肝移植手術で、血液凝固阻止剤(ヘパリン)の過剰投与により、夫に肝臓を提供した群馬県内の五十代女性に両足まひなど重度の障害が残る医療ミスがあった、と発表した。同病院は医療事故調査委員会を設置、医療ミスと判断し、患者と家族に謝罪した。今月上旬、厚生労働省などに報告した。京都大病院で二〇〇二年八月に実施された生体肝移植で、娘に肝臓の一部を提供した四十代の女性が多臓器不全で死亡した例があるが、臓器提供者(ドナー)が医療ミスで重い後遺症になったのは全国でも初めて。 

 同病院によると、ドナーの女性は昨年十一月末、肝不全の五十代の夫に肝臓の一部を移植するため、肝臓切除手術を受けた。手術の二日後、麻酔の注入用に背中から挿入していたカテーテルの付近で出血が見つかり、血の固まる血腫ができて脊髄(せきずい)を損傷。両足まひなどの障害が起きた。

 同日、背中の血腫の除去手術を施し、女性はリハビリを続けてきたが、症状はほぼ変わらないという。肝臓の提供を受けた夫は一時回復したが、今年三月に感染症のため死亡した。

 病院側は事故の原因を「手術直後に血栓ができるのを予防するため投与した血液凝固阻止剤が過剰だった」と説明。三十代の執刀医の判断ミスで、投薬指針の二−五倍の量を投与するよう看護師に指示していたという。

 同病院は、医療事故後、直ちにカテーテルを挿入している患者への血液凝固阻止剤の投入ガイドラインを独自に策定。事故の検証が終わるまで、生体肝移植手術を見合わせるとしている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060725/mng_____sya_____005.shtml