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2006年07月25日(火) 06時15分

悪質リース被害多発 「黒電話 使えなくなる」朝日新聞

 高齢の個人事業者らを狙って「黒電話はもうすぐ使えなくなる」などとうその説明をして電話機の高額なリース契約を結ばせるのは特定商取引法違反(不実告知など)にあたるとして、経済産業省は近く契約の勧誘をしていた業者を業務停止処分にする方針を固めた。電話機リースをめぐる悪質商法では昨年度、全国の消費生活センターに苦情・相談が8647件も寄せられ、急増している。社会問題化した悪質リフォームをしのぐ可能性もあり、同省は初めての行政処分に踏み切る。

 処分するのは訪問販売業者のメディアサポート(大阪市中央区)。電話機リースは複数の業者が存在するとされるが、同社は苦情件数が多い業者の一つだという。訪問販売の業務を数カ月、停止するよう命令する見通しだ。

 契約では、メディア社がリース会社に電話機を販売し、リース会社はその電話機を顧客に貸し出す。メディア社はリース会社と業務協定を結び、リース会社にかわって顧客を探して勧誘し、契約手続きを代行する。

 メディア社と提携していたリース会社は12社にのぼり、大手も含まれているという。

 関係者によると、メディア社の営業マンは零細な自営業者やすでに廃業して年金生活を送っている事業主などを訪問。「デジタル化されるので今の電話は使えなくなる」「電話会社から言われ、入れ替え工事をしないといけない」「電話料が安くなる」などとうそをつき、電話機のリース契約を結ばせたという。

 高齢者の多くが通信技術の知識に乏しいことに目をつけたとみられ、多くの人が電話機を個人用にしか使わないのに、ビジネス用で様々な機能がついた高額な機種を押しつけられたという。リース期間は7年ほどで、リース料は約50万円から300万円以上と様々。複数の契約を結ばされた例もあったという。

 国民生活センターのまとめによると、全国の消費生活センターに寄せられた電話機リースをめぐる苦情・相談は00年度は2600件余りだったのが、昨年度は8647件に急増し、今年度も前年を上回る勢いだ。社会問題化した悪質リフォームをしのぐ可能性もあるという。

 被害者は実際には法人としての営業をやめていることも多かったが、電話機リース業者の営業マンは契約書に個人名ではなく、法人名を書くように求めたという。事業者同士の取引は、契約が無条件解約できる「クーリングオフ」の対象にならないためとみられている。

 このため経産省は昨年12月、特定商取引法に基づく通達を改正。事業者名の契約でも、主に個人用に使用する場合にはクーリングオフできるようにした。

 また、電話機リース商法のように複数の業者が絡んでも、同法に基づく行政処分ができるようにした。

 今回の行政処分は、こうした対策に続く同省が繰り出す「二の矢」ともいえる。

http://www.asahi.com/national/update/0725/TKY200607240652.html