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2006年07月25日(火) 00時00分

SEC社の“悪評”…エレベーター保守、安さもZAKZAK

 「独立系と言っても、全国制覇を目指すSECは我々とは違う」。関西のある保守管理業者は、そう言葉を濁す。独立系とは、メーカー系列ではない保守管理会社のことだ。

 エレベーター業界は、三菱電機、東芝エレベータ、日立製作所など5大メーカーが市場の9割を独占。そのまま系列会社が保守管理を請け負う閉鎖性の強い業界だ。

 「エレベーターは、ゼネコンにとって、うまみの強い商品。メーカーはゼネコンに安く売り、ゼネコンは施工主に上乗せして請求する」とは、ある建設業界関係者。原価を割るときもあるといい、ビルがある限り続くメンテナンスを関連会社が受注することで、その不足分を補ってきた。

 一方、全国で200社以上あるという独立系の多くは、メーカーのOBが設立。主に地域密着型で細々とやってきた。

 だが、大手の寡占状態に公正取引委員会のメスが入ったことに加え、ここ数年の不況でエレベーターの新設台数が伸び悩むと、SECなどの一部独立系が、メーカー系より3−4割安い価格を武器に攻勢をかけ始めた。

 マンション管理費や企業のリストラなども重なり、SECは大手スーパーや病院などの公共施設、マンションを中心に受注を増加。SECによると、4年前の管理台数は1万6000台だったのが、現在は3万台と倍増し、売上高も平成12年の約39億円から昨年は93億円と3倍近くに膨れあがった。

 その理由は、「とにかく安い」(前出の業者)こと。中層のマンションなどについている6人乗りの小さなものなら、保守管理費はメーカー系が月3万7000円、ほかの独立系なら2万7000円が相場。「それがSECは、1万円を切る金額でやっていたとも言われています」(同)。

 だが一方で、業者はこうも打ち明ける。「複雑な故障だと、すぐサジを投げてメーカーに任せてしまう。解約されても、また新しい契約先を見つければいいというわけです」。

 圧死事故があったマンションでは、港区が16年度から指名競争入札を実施。同年度はシ社が年間364万円で、昨年度は別の独立系が166万円で、今年度はSECが120万円で落札した。同区では「様子を見比べていないので、(SECがきちんと仕事をしていたかは)なんとも言えない」と話す。

 SECをめぐるトラブルとしては、新交通システム「ゆりかもめ」新橋駅(東京都港区)の下りエスカレーターが平成12年2月、運転中に突然、踏み板1枚が斜めにせり上がって外れ、緊急停止した。衝撃でエスカレーターの一部も壊れた。

 東京都新宿区のディスカウントストア「ドン・キホーテ新宿東口本店」では昨年3月、エレベーターが落下し、利用者が負傷している。

 SECは取材に「捜査中のためコメントは差し控えたい」としている。 

ZAKZAK 2006/07/25

http://www.zakzak.co.jp/top/2006_07/t2006072528.html