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2006年07月23日(日) 00時00分

改造は点検の『裏技』 応急措置で普及か 東京新聞

 パロマ工業(名古屋市)の瞬間湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒事故で、その主因とされている不正改造の手法は、一九八〇年十一月、関連七機種の最初の型が発売された直後から、北海道内の修理業者の間で湯沸かし器の故障場所を点検するための「裏技」として広く使われていたことが分かった。この点検法は安全装置の故障で動かなくなった湯沸かし器をとりあえず作動させる応急措置にも使えたことから、その後、全国で相次いだ事故の背景となったとの指摘が出ている。 

 パロマ製湯沸かし器の安全装置は、排気ファンなどの異常を感知した際、本体への電流を止め、作動しないようにする役割を持つ。問題の「裏技」は、安全装置の二つの端子を針金などで直結して機能を失わせる方法。直結状態で正常に点火・燃焼すれば、安全装置自体の故障だと確認できたという。

 これに対し、パロマ側は八二年ごろ、テスター(電流・電圧計)を使う正規の点検法を文書で指示した。

 九五年に恵庭市で一人が重症となった事故をめぐる民事訴訟で、札幌の業者は八二年以前から不適正な点検法を「月に二十件くらい」使っていたと説明。パロマが修理要領を出した八二年以降も、八八年ごろまで同じ点検法を続けたという。その理由については「(不適正な方法の方が)不良か正常かを早く知ることができた」と述べた。

 一方、八二年ごろから、パロマ製の湯沸かし器では安全装置のはんだ割れなどの故障が頻発し、パロマ側は安全装置を交換するよう指導した。不適正な直結方法についても、パロマは同時期、全国の販売店などに通知した文書に、「禁止行為」として解説した。

 ところが、同じ訴訟の中で、複数の業者は、装置の在庫不足から、湯沸かし器を一時的に動かすため、不適正な点検法として使っていた端子の直結を行っていたと証言した。

 安全を点検するための「裏技」が、この時点で、生命の危険を脅かす「不正改造」となった。

 苫小牧の業者は不正改造について、「(新しい安全装置が)足りなくて応急措置した」と述べ、別の業者も「(不正改造を)十−十五回くらいやった」と述べた。

 道内のパロマ営業所に勤めていた元社員は不正改造について、「『裏技』として広まった可能性がある。そうでないと、全国で事故が相次いだ説明がつかない」と指摘する。パロマ工業総務部の浦敏正次長も「不正改造法の禁止を解説した文書が、悪用されたのかもしれない」と話している。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060723/mng_____sya_____003.shtml