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2006年07月22日(土) 15時53分

パロマ事故、安全装置の在庫が不足朝日新聞

 パロマ工業製のガス湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒事故で、北海道エルピーガス協会が96年、前年に北海道恵庭市で起きた事故の背景として不完全燃焼を防ぐ安全装置の在庫不足を指摘していたことが分かった。同社は事故が多発する中、部品製造を打ち切っていた。昨年11月に東京都港区で起きた事故を捜査している警視庁は、安全装置の在庫不足が不正改造を誘発した可能性もあるとみて、関係者の事情聴取を進めている。

 恵庭市では95年1月、安全装置が改造された湯沸かし器から発生したCOにより、女子高校生が中毒で重症となる事故が起きた。同協会は恵庭市の事故を受け、安全装置部分の改造の有無を点検するよう促す書面を96年3月、会員に配布。「修理時に安全装置が(業者の)手元になかったため、応急措置として(改造して)燃焼できる状態にした」と認定した。

 一連の事故では、安全装置内で部品のはんだ付け部分が割れる「はんだ割れ」と呼ばれる不具合が多発していたことが判明している。不具合について、パロマ工業の品質管理部長は、この事故をめぐる損害賠償請求訴訟の中で「安全装置の故障であれば、装置自身を交換するのを基本としていた」と証言していた。

 一連のCO中毒事故は89年までに製造された4機種で起きているが、同社は同年以降、これらの機種の部品の生産を旧通産省が定めた最短期間(7年)に近い8年で打ち切っていた。

 安全装置の不足については、別の死亡事故をめぐる訴訟の中で、ガス会社側が「安全装置の在庫がなかったので、(パロマ製品の修理を請け負う協力業者の)パロマサービスが不正改造で応急的な対応をした」と主張している。

 パロマは82年、はんだ割れの修理方法を記した社内文書を作成していたことが判明しており、品質管理部長はこの狙いについて、訴訟の中で「リサイクルだった」と証言。安全装置の不足を認識していたことを示唆している。

 港区で起きた死亡事故でも、安全装置が改造されていた。警視庁は改造の一因には安全装置の在庫不足があったとみて、当時のパロマ幹部が不足のもたらす影響をどこまで認識していたか、業務上過失致死容疑も視野に任意で事情を聴いている。

http://www.asahi.com/national/update/0722/TKY200607220435.html