悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年07月19日(水) 00時00分

湯沸かし器死者20人に パロマ事故新たに10件 記者会見で頭を下げ謝罪する、パロマの小林弘明社長(右から2人目)と父親の小林敏宏会長(右端)ら=18日午後、名古屋市瑞穂区のパロマ本社で 東京新聞

 パロマ工業(名古屋市)製のガス瞬間湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒事故で、同社と販売会社のパロマ(同)は十八日、パロマ本社で会見し、十四日に経済産業省から指摘を受けた十七件のほかに、北海道、長野、福岡、東京、秋田の五都道県で計十件の事故が発生していたことを明らかにした。一連の事故はこれで計二十七件となり、死者は計二十人、重軽症は三十六人に増えた。パロマの小林敏宏会長は事故調査が一段落した段階で、パロマの会長と、兼務しているパロマ工業の社長を引責辞任する意向を示した。 

 パロマの小林弘明社長は「認識の甘さをおわびしたい。経営者として認識が足りず、申し訳ない」などとして、初めて謝罪した。経済産業省は同日、再発防止に向けて事故連絡会議を設置、パロマ製品だけでなく、同様の方式を採用している他社製品も調査する。

 パロマが新たに明らかにしたのは一九九〇年十二月から九五年十一月までの事故。十六日に判明していた九〇年十二月に北海道帯広市で二人が死亡した事故が含まれており、このほか、死者は九二年十二月の福岡市の事故で一人、九四年二月の秋田市の事故で二人。パロマは「今後も調査を継続する」としており、事故件数や被害者がさらに拡大する可能性がある。

 事故原因では不正改造が原因とみられる事故は十四件。残り十三件の内訳は機器を長年使用したことに伴う安全装置の老朽化が四件、現段階で不明あるいは調査中が九件としている。安全装置の老朽化は制御板の一部にひび割れなどとしているが、同社は「当時の技術レベルでは欠陥ではない」と主張している。

 不正改造以外でも事故が起きていたことから、同社は問題となった給湯器を無料回収、新機種と交換することを決めた。

■来月中旬に安全策 経産省

 パロマ工業製の瞬間湯沸かし器による死亡事故をめぐり国の対応の遅れが被害を拡大させたとの批判を受け、経済産業省は十八日、ガス器具以外も含めた製品や製品取り付け工事などの安全対策を検討する総点検委員会を開いた。今月中に過去の事故に関する処理の仕方などをあらためて見直し、八月中旬に安全対策をまとめる。

 同委員会は、松永和夫官房長を委員長に局長級で構成。半密閉式瞬間湯沸かし器や火災事故が起きた電気式浴室換気乾燥暖房機に加え、過去に不具合などの情報が寄せられながらその後対応がとられたか不明な製品を対象に、安全対策を検討する。瞬間湯沸かし器のように、工事が絡む製品を中心に点検を急ぐ。

 同日の会議では、パロマ工業の瞬間湯沸かし器をめぐる対応などを確認。当面の対策として、省内の情報収集や連絡体制の整備を決めたほか、必要な場合には事業者に対してガス事業法などに基づき報告調書の提出や改善命令、告発などを行うことを確認した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060719/mng_____sya_____007.shtml