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2006年07月16日(日) 09時14分

<パロマ事故>安全点検の内容に不備 排気ファン内蔵の機種毎日新聞

 パロマ工業(名古屋市)製の瞬間湯沸かし器で一酸化炭素中毒死が多発した問題で、事故を起こした4機種の給湯器では、ガス供給事業者が行う施設の点検内容に排気ファンに関する安全性の検査が義務づけられていないことが分かった。法律で定められた点検に「盲点」があったといえ、問題点が明らかになって20年以上も対応できていなかったことが、事故原因の一端として浮かんだ。
 ガス事業法はガス供給業者に対し、ガスを使った燃焼施設の安全点検を40カ月に1回、義務づけている。点検内容は(1)ガス漏れ検査(2)給排気設備の確認(3)安全使用の周知——の3点。
 瞬間湯沸かし器はパロマ工業製の4機種をはじめ、燃焼ガスを屋外に逃がすための電動ファンが内蔵されたタイプが大半だが、煙突を付けただけの自然排気タイプもある。後者は設置後、排気管の途中に電動ファンを後付けするケースが多く、その場合は不完全燃焼を起こさないよう、ファンの電源を落とした状態で給湯器が作動しないことを(2)の項目の中で確認する必要がある。
 ところが、電動ファンが内蔵された機種については、排気管が屋外に出ているかどうかを確認するだけで、電源を落とした状態の検査が義務づけられていなかった。経済産業省ガス安全課はその理由を「製品自体はすでに安全基準を満たしているため、点検の対象にはしていない」と説明する。
 パロマ工業が明らかにした85年以降の20年で15人が死亡した事故のうち、松江市の自営業、山根健二さん(57)の長男敦さん(当時21歳)が死亡した96年3月の事故では、電気が止められていたため、電動ファンが作動しないにもかかわらず、給湯器が作動。不完全燃焼を起こし、敦さんは一酸化炭素中毒で死亡したとされる。
 東京ガスによると、東京都内では96年、01年、05年に死亡事故が発生したが、同社独自で検査項目を見直すことはなかった。同社広報部は「機器特有の問題はメーカーが緊急点検を行う。メーカーなどの要請があれば検査項目の見直しもしたと思うが、これまでは一切なかった」と話している。【中村牧生】
(毎日新聞) - 7月16日9時14分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060716-00000006-mai-soci