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2006年07月15日(土) 00時00分

湯沸かし器15人中毒死 パロマ製4機種 東京新聞

 経済産業省は十四日、パロマ工業(名古屋市)が製造した半密閉式ガス瞬間湯沸かし器で、排気ファンの作動不良のため、一九八五年一月から二〇〇五年十一月にかけて十七件の一酸化炭素(CO)中毒事故が発生、計十五人が死亡し、二人が重症、十七人が軽症になっていたと発表した。 

 警視庁捜査一課は一九九六年三月に都内で発生した死亡事故の遺族の要望を受けて再捜査し、湯沸かし器の不具合が事故につながった疑いが強いことが十四日までに判明。昨年十一月の事故についても捜査する。

 親会社のパロマ(同市)の小林弘明社長は同日会見し「換気が不十分な場合に自動的に燃焼を停止する安全装置が正常であれば事故は発生しないが、働かない状態に不正改造して使用されたために換気不良が起きた可能性はある」と説明。「事故は重く受け止めており、点検終了まで使用を控えてほしい」としている。

 事故があったのはパロマ工業が八〇年四月から八九年七月に製造したPH−81Fなどの四機種。経産省は類似の三機種も含め同社に点検と改修、相談窓口の設置を指示。原因究明の報告も求め、独自に原因調査も進める。点検対象は八〇−八九年に販売された計約二十六万台。

 経産省はガス事業者にも点検を指示、この七機種を使用する消費者にも点検終了まで確実に排気が行われていることを示すファンの作動音を確認するよう呼び掛ける。

 半密閉式瞬間湯沸かし器は、燃焼用の空気を屋内から取り入れ、排ガスを排気筒で屋外に排出する。経産省によると、十七件のうち五件はパロマ工業が指摘するように湯沸かし器設置後に安全装置が改造されていた。

 専門家によると、老朽化した湯沸かし器は安全装置が働きやすくなり、ガスの供給が止まるケースが多くなる。そこで配線を不正改造して安全装置をストップさせると、湯沸かし器の継続使用が可能になるという。

 パロマによると、不正改造はファンの温度を検出する安全装置の配線を入れ替えるというもの。湯沸かし器本体の電源がオフでも、つまみを回せばガスが供給されて点火でき、利用できる異常状態になる。安全装置が作動しない状態で、ファンが止まるトラブルが重なった場合、不完全燃焼が起こり、一酸化炭素中毒が起こるという。専門家は、改造したのは業者や知識のあるユーザーではないかと指摘する。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060715/mng_____sya_____007.shtml