悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2006年07月15日(土) 18時14分

<パロマ事故>無念の10年 遺族の怒り捜査動かす毎日新聞

 再捜査のきっかけとなったのは、遺族の「真相を知りたい」という願いだった——。パロマ工業(名古屋市)製瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒死。事故はなぜ見過ごされてきたのか。「誰も反省することなく終わってしまうのは許されない」。遺族の声は重い。【中村牧生、木村光則】
 96年の事故の遺族で島根県松江市の自営業、山根健二さん(57)は、長男の敦さん(当時21歳)を失った悲しみや、責任の所在があいまいなことについての不満を語る。
 東京都港区のマンションで一人暮らしをしていた敦さんが死亡した当時、健二さんは警視庁赤坂署から死因について「心臓発作ではないか」としか聞かされていなかったという。今年になって、息子の友人の勧めもあり、当時の監察医務院の医師に問い合わせたところ、「死因は一酸化炭素中毒。それも考えられない濃度。事件性がある」と教えられたという。
 今年2月から3月にかけて警視庁に原因究明を訴え出た。再捜査のきっかけだった。
 健二さんは「警察は10年前に事件性を把握できたのではないか。なぜすぐに捜査をしなかったのか納得がいかない」と批判。また「誰が不正改造をしたのか分からない」とするパロマ工業についても「業者が当座の不具合を直すために配線を変えたというが疑わしい。事故を知りながら対策もせず、今さら責任がないように主張するのはおかしい。すべてがうやむやにされ、誰も反省することなく終わってしまうのは許されない」と無念さを訴えた。
 ◇「当時、湯沸かし器に問題があるから替えなきゃいけないと言われた」
 一方、01年1月、焼き肉店経営の韓国人夫婦が一酸化炭素中毒で死亡した東京都新宿区新宿7のマンション。隣の部屋に住む管理人の女性(84)によると、このマンションが建った80年代初め、パロマ工業の大きな湯沸かし器が各部屋のキッチン横に備え付けられていたという。
 死亡した夫婦は隣のビルで焼き肉店を経営。事故当日は昼前になっても店に出てこないのを不審に思った従業員が部屋を訪ね、夫(当時50歳)が浴室で、妻(同44歳)が居間のソファで倒れているのを発見したという。
 事故後、ほとんどの部屋の湯沸かし器はパロマ工業製から別会社製へと変更。管理人の女性は「当時、湯沸かし器に問題があるから替えなきゃいけないと言われた。何で今さら騒いでいるのか」と話す。
(毎日新聞) - 7月15日18時14分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060715-00000055-mai-soci