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2006年07月15日(土) 10時33分

パロマ 「力が足りなかった」と釈明 湯沸かし器事故で毎日新聞

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会見する小林弘明パロマ工業社長(右)と横山信義企画部長=名古屋市中区の中部経済産業局で14日午後6時43分、山口政宣写す    「誰が不正改造をしたのか分からない」−−。パロマ製の瞬間湯沸かし器の一酸化炭素中毒で死者が出た事故についてパロマの小林弘明社長は14日、名古屋市中区の中部経済産業局で記者会見し、苦渋の表情でそう何度も繰り返した。20年間に15人もが死亡しており、なぜもっと早い段階で手を打つことが出来なかったのか。小林社長は対応が後手に回ったことについて、「メーカーとして力が足りなかった」と釈明した。
 同社によると、不正改造はガス湯沸かし器のコントロールパネル内にある複数の端子を針金でつなげるなどして安全装置の機能を失わせ、不完全燃焼の状態でも使用出来るようにしていた。事故のあった事例では、電源コンセントが抜かれて使用されていた。電源コンセントがつながっていなくても点火出来る仕組みとなっているため、排気ファンが作動せず、安全装置も機能しないまま不完全燃焼の状態となり一酸化炭素を排出してしまう。
 「簡単な電気知識」(同社)があれば、改造は容易といい、古くなった器具の延命や電気代の節約などが目的ではないかとみられる。設置業者や販売会社が関与した可能性について同社は、「1件も把握していない」として、否定的な見解を示した。また、改造を行った者が確認された場合、損害賠償を求める考えを示した。
 同社が最初に不正改造を確認したのは91年。長野県で起きた一酸化炭素中毒による死亡事故の原因が、不正改造にあることを確認したのがきっかけだった。同社は翌年、一斉点検を実施した。しかし、これ以降、同様の事故が13件起き、同社もそのうちの5件を把握していたにもかかわらず、点検や整備は行わなかった。
 小林社長は「組織的にうまく情報を処理していれば、早い段階で点検はできたと思う。結果的には情報をうまく知りえなかった」と力なく語り、被害者に対しては「心からお悔やみ申し上げる。残念で悔しい」と話した。【浜名晋一】
(毎日新聞) - 7月15日10時33分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060715-00000005-maip-soci